KDDIは8月28日に「au UNLIMITED WORLD 発表会」を開催した。同日には、auの新料金プランや、5G時代に向けた新しい取り組みなどが明らかにされた。
同社代表取締役社長の高橋誠氏は冒頭、「令和元年は5G元年」と話し、5G時代に向けた「au 5G」のロゴデザインを刷新したほか、5Gの電波免許割り当てでアグレッシブなプランを打ち出し、優位性の高い周波数帯域を獲得できたことなど、これまでの5Gに関する取り組みについて振り返った。
その上で「5Gは技術ばかりではつまらない。5Gを主語で話す人はダメ」と話し、auのスローガンである「面白い方の未来へ。」を実現するために新たな取り組みとして「UNLIMITED WORLD」を始動することを明らかにした。これによってデータ通信が毎日ストレスなく利用できる「本当の意味でアンリミテッドな世界がやってくる」と高橋氏は話し、その実現に向けた戦力商品となる新たな料金プランを発表した。
それが9月13日より提供を開始する、米Netflixの動画サービスをバンドルした新たな料金プラン「auデータMAXプラン Netflixパック」だ。このプランは、データ通信が使い放題になるほか、Netflixの「ベーシックプラン」が利用できるというもので、テザリングや国際ローミング時のデータ通信容量を2GBに絞ることにより、すでに提供している「auデータMAXプラン」より低価格となる月額7880円、各種割引を適用することで6か月間は月額4880円で利用できるようになるという。
新しいNetflixのバンドルプランを提供した理由について、2018年に提供した「auフラットプラン25 Netflixパック」の契約の伸びが順調で、解約率が極めて低いなどエンゲージメントが高まっていることが大きく影響していると高橋氏は説明。「これからは通信料金プランがどうというだけでなく、OTTプレーヤー、Netflixを見るならどのキャリアが見やすいかという見方になってくる」と話し、バンドルプランの拡大に期待を示した。
この新料金プランは、10月に実施される電気通信事業法の改正を見越し、月額の割引額が170円、途中での解除料が1000円となる新しい2年契約サービス「2年契約N」が適用できる初のプランとなる。他の料金プランに2年契約Nを適用するかについては今回発表されず、後日明らかにするとのことだ。
また、同じく法改正によって終了が明らかにされている端末購入プログラム「アップグレードプログラムEX」に関して、高橋氏は「修正したものの提供を検討している。9月に入ってそれについて説明できると思っている」と回答。法改正に合わせた何らかのプログラムの提供を検討していることを明らかにした。
高橋氏は5Gへの移行が進む今後、どのようなサービス提案ができるかという点についても言及。そのキーワードとして高橋氏は、“拡張”を意味する「Augment」を挙げ、「Augmentの頭文字は『au』。体験を創造するイメージで新サービスを伝えいてきたい」と話す。
その拡張を示す取り組みの1つとして挙げたのが、スポーツに関してである。KDDIは8月27日に、横浜DeNAベイスターズと5Gのスマースタジアムに関してパートナー契約を締結しているが、新たに名古屋グランパスとも、5G時代の新スタジアム体験に向けパートナーシップを締結したことを発表。新しいサッカー体験を実現するべく両者で拡張を進めていくとしている。
そしてもう1つは、街との取り組みである。新たに渋谷区観光協会、渋谷未来デザインと共同で、「渋谷エンタメテック推進プロジェクト」を立ち上げたことが明らかにされ、その第1弾として、渋谷区で9月12日から、5GとAR技術を活用したデジタルトランスフォーメーションの実証実験「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2019」を実施するとしている。
高橋氏はこれらの取り組みについて、「パートナーと共にAugmentを使いながら、スポーツや街といった体験価値を創造していくことを続けたい。5Gをやるのではなく、4Gと5Gのネットワークを使ってどんな体験価値を届けるかが、5Gの勝負だと思っている」と回答。5Gのサービスは当初、4Gのネットワークの上で5Gを展開するノンスタンドアローンでの運用となることから、4Gのネットワークについても継続して品質改善を進めていく姿勢も示した。
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