車の自動販売機は新しいアイデアではないが、人によっては安心できるものかもしれない。ディーラーも販売員も価格交渉も一切必要ないからだ。自動車ディーラーのAuto Traderは、このアイデアに変わった趣向を凝らしている。
同社にとって初となる車の自動販売機のサービスが英ロンドンで始まった。購入希望者は自身のスマートフォンを使って車を購入できる。非接触技術を使ったモバイル決済で車の支払いができるこの自動販売機を利用すれば、価格交渉を避けられるという利点を同社は強調している。ローンや保険などの詳細は話し合われないが、この自動販売機で販売される車の価格は2万1000ポンド(約270万円)以下となる。「Apple Pay」や同様のサービスを利用するために同等の金額をクレジットカードで使えるようにしている人はそう多くないだろう。
車がどこから配車されるかと言うと、それはディーラーからだが、Auto Traderは事前に価格交渉したうえで車を自動販売機に入れている。例えば、同社初の自動販売機に収容されているのはRenaultの「ZOE」で、事前合意価格は1万6000ポンド(約210万円)となっている。自動車は、最終販売価格についてAuto Traderと合意した地元のディーラーから配車される。この最終価格には、Auto Traderのウェブサイトで公開されている価格も反映されている。
購入して取引を完了する際は独自のPOSシステムが適用され、購入が済むと自動販売機のユニークな機械仕掛けのドアが開いて車に乗り込むことができる。Auto Traderは購入がいかに簡単かをアピールしているが、最近の調査で若い購入者は実はディーラーが関わることを望んでいることが示されている。
調査によると、Z世代やミレニアル世代は車を購入する際、より多くのディーラーを訪れる傾向が強い。Z世代やミレニアル世代の購入者が訪問するディーラーの数は平均で3.8だという。さらに、83%の回答者が試乗なしでは車を購入しないと回答しており、89%が試乗は購入を決めるうえで最も大きな影響を及ぼす決め手だと回答している。
若い世代に好まれている点に着目すると、ディーラーが廃れることはなさそうだ。だがITに詳しい人やトレンドセッターは、ロンドンにあるこの自動販売機に興味を抱くかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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