中国Eコマース大手の阿里巴巴(アリババ)は、車の自動販売機を南京と上海に設置することを明らかにした。ネコをモチーフとしたこの自動販売機を利用すると、自動車の購入を考えている人が車を実際に見たり試乗したりして、気に入ればその場で購入もできる。
この発表の直前には、アリババとFord Motorの提携により、Fordがアリババの自動販売機やインフラを利用して自社の車を中国で販売する可能性があることが報じられていた。
試乗期間は3日間だが、試乗が認められるためには、信用力を算出する中国の「芝麻信用(Zhima Credit)」システム(大衆を監視し統制するシステムだとして人権活動家たちから非難されている)のスコアが700点を超えている必要がある。
アプリを使って車を選んでから、最寄りの自動販売店舗「Super Test-Drive Center」に向かう。店に着いたら、顔認証かシンプルなログインコードを使って本人確認が行われ、実際の車が販売機から搬出され、最大3日間試乗したり、その場で購入したりできる。
システムが悪用される可能性を減らすために、1つのモデルを試乗できる機会は1回に制限されている。また、試乗できるモデルの数は最初の2カ月で5台までだ。この新しい自動車販売システムには、Mercedes-Benz、Maserati、BMW、Audi、Volvoなど、名だたるメーカーが参加を予定しているという。
「この車の自動販売機の主な狙いは、自動車を購入する際に利用者が直面するいくつかの問題を解決することだ」と、(アリババが中国で事業運営している)「天猫(Tモール)」の自動車部門でマーケティングディレクターを務めるHuan Lu氏は、声明の中で述べている。「そのために、われわれは物理的な店舗を実験的に開設し、さまざまな大手ブランド(の車)を一堂に展示したワンストップショップで、店員と話すことなく顔認証だけで車をピックアップし、3日間という『長い』試乗を体験できるようにした」
天猫では、さらに10店以上の自動販売店舗を中国各地に展開する計画で、今後1年以内のオープンを予定している。大胆な未来に向けた取り組みを進めるアリババは、この販売方式が、急成長している中国の自動車市場をさらに拡大する秘策となることを期待している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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