ソフトバンクおよびシャープは8月23日、5Gなどを活用した8K映像のライブ伝送実験の内容について、報道関係者を対象に公開した。
埼玉県さいたま市のさいたまスーパーアリーナで行われた男子バスケットボール日本代表国際試合「International Basketball Games 2019」のチュニジア代表対ドイツ代表の試合を、シャープの8Kカメラを使って撮影。試合の映像を専用線でシャープが持つコンテンツサーバーに配信。映像を同期して、ソフトバンクの5Gネットワーク網を使い、8K画質で東京・お台場のテレコムセンタービルにあるソフトバンクの5G×IoT Studioお台場ラボのシールドルームに配信。PCを経由して8K映像を、3台の70型8Kディスプレイに映し出した。
また、シャープが開発中の立体音響向けアレイスピーカーを設置して、立体音響による演出も行った。
「モバイルデバイスでの視聴とともに、パブリックビューイングでの活用を想定したものになる」(ソフトバンク テクノロジーユニット技術戦略統括 先端技術開発本部先端技術推進課の山田大輔課長)という。
会場には、8Kカメラを2台設置。1台は観客席の位置から全体を俯瞰する映像を撮影。もう1台はコート横から選手を追い続けるカメラとして設置した。映像は、エンド・トゥ・エンドで約10秒の遅延があるが、2つの映像と音声は時間軸をあわせて同期させている。
配信プロトコルにはHTTPベースのMPEG-DASHを用いており、ネットワークの帯域に応じてビットレートを変えることができる特徴を生かしたストリーミング方式。受信機などの専用機器を用いずに、映像の視聴が可能になる。
5Gの検証環境は、28GHzの周波数帯を使用し、帯域幅は400MHzとなっている。「インターネット内に配信サーバーを配置した場合、インターネットのラインがボトルネックになる。ソフトバンクの5G通信ネットワーク内に配信サーバーで配置。利用者は、ソフトバンクのネットワーク内に限られるが、インターネットの環境に左右されずに、よりリアルな映像配信が可能になる」という。実証実験では、2つの映像ソースを3画面に表示しており、約300Mbpsのデータを、8Kライブ映像として配信した。
また、シャープ 8K Lab エグゼクティブディレクターの新本真史氏は、「コンテンツサーバーに、8Kの映像があがっていれば、8Kによる映像配信だけでなく、2Kや4Kの映像を配信することができる。ユーザーが持つデバイスごとに最適な配信が可能になる」とした。
ソフトバンクでは、「2019年秋には、入ってきた画像に対する解析技術や編集機能などのMEC機能を拡張することで、映像コンテンツを、より低遅延で送信できる環境が簡易に実現できる。モバイルデバイス向け以外にも用途を拡張したい」などと述べた。
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