ランニングが楽になるロボットショーツ、ハーバード大が開発

Shelby Brown (CNET News) 翻訳校正: 編集部2019年08月22日 10時51分

 ハーバード大学の研究者らは、多くの人にとって過酷な運動であるランニングをはるかに楽なものにするロボットショーツを開発した。このロボットショーツは実のところ軽量の外骨格スーツで、歩行やランニングをアシストする。

Wyss Institute at Harvard University
この軽量スーツは腰に装着する
提供:Wyss Institute at Harvard University

 このスーツは装着者の代謝コスト、すなわちエネルギー消費を歩行時に9.3%、ランニング時に4%低減できると、研究者らは米国時間8月19日に学術誌「Science」に掲載された論文で述べた。このロボットショーツは歩行とランニングにシームレスに切り替えることができる。このスーツを装着して動き始めると、「cable actuation system」(ケーブル作動システム)が装着者をアシストする。プレスリリースによると、ケーブルが腰に巻くベルトと太ももに取り付ける部分の間に張力をかけ、臀部(でんぶ)の筋肉と連動する股関節に外的な伸展トルクを発生させるという。

 「われわれは、このデバイスが上り坂の歩行時や異なるランニング速度、屋外での地上試験でもうまく機能したのを確認できて非常にうれしく思う。これによってシステムの汎用性が示された」と主任研究者のConor Walsh博士はプレスリリースで述べた。

 電子メールで、研究者らはこのスーツを装着すると脚が引っ張られるので最初は違和感を覚えたが、すぐに体が慣れたと述べた。

 「(スーツを)オフにすると、動く歩道の終点に到達してしまったように感じる。脚が重く感じ、このスーツがどれだけの働きをしていたかを実感し、これを使わずに歩くことが非常に面倒に思える」とチームは述べた。

 このスーツは、長距離の歩行やランニングが必要なあらゆる人に役立つ可能性がある。被災地で捜索活動を行う救助隊員、行進する米陸軍兵士や海兵隊員、長距離のトレッキングをするハイカーなどの利用が考えられる。

 「われわれの取り組みがどれほど進展してきたかを見ることができて非常に満足している」とWalsh博士はプレスリリースで述べ、「われわれは引き続きこのスーツをさまざまな用途に適用していくことを非常にうれしく思う。歩行障害者や体に負担のかかる業務を行うためけがを負うリスクのある産業労働者、週末に余暇でスポーツや運動をする人などの支援が考えられる」とした。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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