Virgin Galacticの宇宙港を訪問--リッチな商用宇宙旅行はもうすぐ - (page 3)

Eric Mack (Special to CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2019年08月23日 07時30分
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 フレンドリーで知識も豊富なHicks氏は、砂漠にあるこの質素な場所から考えられるさまざまな飛しょう経路について、長時間喋っていられる。SpaceXがここからロケットを打ち上げて、テキサスの企業施設に着陸させることも無謀ではないかもしれない、と同氏は推測する。Jeff Bezos氏のBlue Originについても、同じだ。Blue Originもテキサス州西部にテスト施設がある。

 デザートコース(蒸気と泡を出すドライアイスを入れた容器に、ラズベリーシャーベットが入ったショットグラスが置かれていた)にたどりついたとき、筆者はHicks氏に、Spaceportへの批判についてどう思うか尋ねてみた。Spaceportの主な役割が、納税者のお金を使って富裕層の宇宙休暇を援助することになっているという意見だ。

 「そうした批判がなくなることを望んでいた」。Hicks氏はそう答えた後、貧困の度合いに驚かれることも多いこの地域に、Spaceportが今後もたらすはずのプラスの経済効果を並べあげた。

 Spaceportに関連する仕事をしている数百人の大半が住んでいるドニャアナ郡では、人口の28%近くが貧困線以下の生活をしている。

 「目指しているのは、宇宙セクターを作ることだ。Virgin GalacticやSpinLaunch(Spaceport Americaの別のテナント企業)のような企業にここに拠点を置いてもらい、家族を連れてきてもらいたいと思っている」(Hicks氏)

 この空間には、訪問中のジャーナリストや英国を拠点とするVirgin Galacticの従業員が大勢いた。その中で、Hicks氏と筆者は非常に特異な少数派だった。私たちは2人とも長年のニューメキシコ州居住者なのである。この15年間、この施設を支えてきたのはニューメキシコ州市民の税金だ。それでも、公的資金で建設されたこの豪華な建物は、関係者以外の立ち入りが制限されており、一般の人々が中に入れるのは、予定されたツアー中のみとなっている。

 もちろん、これはセキュリティ上の懸念から、どんな公共宇宙施設にも当てはまることだが、Spaceportのために使われる税金を払った人の多くがこの贅沢な体験と極上のチャイラテを味わえないということに筆者はショックを受けている。

 だが、Virgin Galacticの商用ディレクターのAttenborough氏は同社のビジョンについて、上流階層向けの娯楽の軌道旅行事業を運営することにとどまるものではない、と主張している。

 「今ここで起きていることは、最終的に、より高速かつクリーンに地球上を移動する方法につながる可能性もある」(同氏)

 今後、宇宙旅行分野での競争によって、旅行代金が下がり、より多くの人がアクセスできるようになるだけでなく、Elon Musk氏とSpaceXが提案したものに似た、大陸横断ロケット飛行機の飛行が実現する可能性もある、と同氏は見通している。

 Attenborogh氏は、「現時点では、われわれにそれを実現する技術はない」と述べ、同社の労力の98%が最初の商用宇宙飛行体験に向けられているとした。だが、長期的なビジョンには、大陸横断飛行の移動時間の短縮と環境への影響を減らすことも含まれている。

 そうなれば、いつか、誰でもニューメキシコ州の砂漠に降り立って、そこからジェット機で2時間以内に欧州に行ける日がひょっとしたら来るかもしれない。だが、当面の間は、宇宙旅行とそれについてくるおいしいラテ、そして豪華なシャーベットを楽しめるのは、上位1%の富裕層に限られるだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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