国際宇宙ステーション(ISS)への旅行を目的として作られた初の商用宇宙船であるSpaceXの「Crew Dragon」が、米国時間3月8日午前、大西洋に着水した。これは、歴史的ミッションの終了でもあり、人類による宇宙飛行の新たな段階の幕開けでもある。
1969年の「アポロ9号」以来となる大西洋への着水により、SpaceXは人類を軌道上に送り込むという目標にまた一歩近づいた。
Crew Dragonの打ち上げは大幅に遅れたが、2日、ついにケネディ宇宙センターの、宇宙開発の歴史に名高い発射台「Pad 39A」から打ち上げられた。その後、ISSを24時間追跡し、3日、ISSの「Harmony」モジュールと特殊なドッキングアダプタを通じて画期的なドッキングに成功した。
ISSへのドッキング中には、宇宙空間で初めて人類がCrew Dragonに入った。Crew Dragonは7日までISSにドッキングされていたが、7日にはハッチが閉じられてロックされ、帰還の準備が整った。太平洋時間午後11時32分、ISSとの間に取り付けられていたフック一式が外され、2回の短いスラスタ噴射とともに、ゆっくりと漂いながらISSから離れていった。人間は搭乗せず、「Ripley」というニックネームが付けられたダミーの乗員が、SpaceXの宇宙服と一連のセンサを身に着けて搭乗していた。
今回の着陸によって、Crew Dragonの6日間にわたるミッションは完了したが、まだやるべき仕事は残っている。SpaceXは、宇宙船の発射、ドッキング、ドッキング解除、再突入の機能や、パラシュートシステムの有効性を実証でき、また、Ripleyに取り付けられたボディセンサ群から得られるデータなど、分析を待つ大量のデータを手に入れた。今後はこうしたデータを元に、数カ月のうちに人間を地球からISSに運べるようCrew Dragonの準備を進めることになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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