ロボティクス企業と動物福祉にはどのようつながりがあるか。動物福祉団体のScottish SPCAによると、多くのつながりがある。同団体は、スコットランドの小学校で「Prevention Through Education」(教育による防止)というプログラムを提供している。
同団体は2018年11月の発表で、「オーストラリアの教育テック企業Robo Wunderkindと新たに提携したことを発表できて光栄だ。同社は子供にロボット工学とコーディングを教えるための楽しくて自然な方法を提供している」と述べていた。
Robo WunderkindはブロックベースのSTEM(科学・技術・工学・数学)ロボットキットを製造している。このキットはロボットの組み立てやプログラムを子供たちに促すことによって、コーディングの基本を教えるためのものだ。同社との提携は、子供が幼いうちから動物に思いやり抱いて共感する振る舞いをするよう促し、人間と動物が良好な関係を築くことを目的としている。ワークショップでは、子供は反応するロボットを組み立て、ロボットがどのように動き、感じ、反応するかについてよく考える。Scottish SPCAの教育者は生徒に実際の動物の映像を見せ、なぜ、そしていかに動物が特別なのかについて話し、ロボットのセンサーパッケージと実際の動物が生まれ持っているセンサーを比較する。
子供が実際に動物と触れ合う際に、動物の繊細さと行動をよく踏まえておくよう教えることが狙いだ。
Scottish SPCAの教育プログラムには年間25万人以上の子供が参加しているため、主に技術に焦点を置いていない団体がSTEMコーディングとロボティクスを使うためのテストベッドとしては大きい。この提携はRobo Wunderkindにとっても大きな成功だ。同社はライバルの多いSTEMテック分野で競っており、技術教育という限られた目的以外でも自社製品が受け入れられるようにするような提携を結んできている。
「Robo Wunderkindのチームは常に、従来の『コーディング教育』分野の枠を超えてロボットの使い方を広げることに強い興味を抱いている。Prevention Through Educationプログラムの一端を担うことは、まさに当社が求めていたことだ」と、同社の最高経営責任者(CEO)で共同創業者のAnna Iarotska氏は述べている。
Scottish SPCAの教育と方針の統括者であるGilly Mendes Ferreira氏は以下のように述べている。「プログラムに追加されたこの比類のない新たなものは、子供の創造力をかき立て、楽しみながら独創的になれるよう鼓舞し、動物が実際にどれほど素晴らしいかを強調する優れたツールだ。また、STEMのカリキュラムとも連携している。このカリキュラムは問題解決型の学習に特に重点を置いているため、生徒は身に付けた知識をすぐに応用できる」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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