米国家安全保障局(NSA)の長官で米サイバー軍の司令官であるPaul Nakasone氏は米国時間8月14日、2020年大統領選挙におけるロシアからの干渉に対応する特別任務部隊「Russia Small Group」について語った。この部隊では、過激派組織「イスラム国(IS)」とのサイバー空間における戦いから米国の情報当局が学んだ教訓が生かされているという。
陸軍大将でもあるNakasone氏は、NPRとのインタビューに珍しく応じ、「われわれは敵についてとても賢く対処できるようになった」と述べた。ISとの戦いの際に設けられた特別部隊は、教義の拡散、人員の勧誘、資金の調達にISがインターネットをどのように利用しているのかを明らかにするだけにとどまらず、ISのネットワークのハッキング、ソーシャルメディアアカウントの封鎖、ウェブインフラの解体なども行ったという。
この対ロシア特別部隊はまた、2018年の中間選挙で実施された干渉対策と同様の成功を目指している。この対策の成功は、サイバー空間における米国の敵対勢力に対して、米国の対応能力を真剣に受け止めなければならないことを示したと、Nakasone氏は語った。
Nakasone氏の発言は、2020年の大統領選挙に向けた準備が米国で進む中で明らかになったものだ。2020年の選挙では、選挙システムがロシアのハッカーの格好の標的になるとみられる。上院の情報問題特別調査委員会によると、前回の大統領選挙では、米国の50州すべての選挙システムがロシアの標的になったと考えられている(ただし、この件に関する報告書では、投票内容が不正に変えられた証拠はなかったと結論づけている)。また、ロシアのスパイは、社会に対立を植え付ける取り組みの一環として、政治的な分断をあおるような言説をFacebookやTwitterに投稿した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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