電子チケットやバーコード決済など、幅広い分野で活用されているQRコード。このQRコードが誕生から25周年を迎えたことを記念して、8月8日、デンソーウェーブ「QRコード25周年 記念PRイベント」が都内で開催された。
QRコードは、1994年の8月8日に誕生した2次元バーコード。工場で使用するバーコードの情報量増加や、データ読み取り速度向上などを目指し、2人のメンバーの手で開発がスタートしたという。当初は自動車部品メーカーであるデンソーの応用機器技術部門がこれを手掛け、2001年には同社産業機器事業が独立したデンソーウェーブに事業が移管された。
デンソーウェーブ 代表取締役会長兼CEOの杉戸克彦氏は、「今日のキャッシュレス決済や、イベントのモバイルチケット、雑誌やチラシへのQRコードの貼付など、QRコードは近年のスマートフォンの普及に後押しされ、想像もしなかったスピードで世界中に普及した」と語った。
当初は工場でしか使われると思っておらず、ここまで世界中に広がるとは想像もつかなかったという杉戸氏。当時の経営陣が「広めてこそ世の中の役に立つ」として特許の無償公開に踏み切ったことも、普及の要因だと語った。杉戸氏は「QRコードを開発した企業として、新しい利用法を次々と生み出し、社会の快適、利便、安心、安全向上に役立ちたい」と、今後のさらなる展開を語った。
杉戸氏に続いて登壇したのは、QRコードを開発した、デンソーウェーブ AUTO-ID事業部 主席技師の原昌宏氏。QRコードの開発の歴史や概要について解説した。
QRコードのルーツは、トヨタ自動車の「かんばん方式」採用にあるという。それまで部品メーカーはトヨタの工場に週1回部品を納入していたが、かんばん方式の採用により、工場に毎日納入する必要が生まれた。そのため、経理部門の作業が大幅に増え、負担も増した。
そこでデンソーは、「かんばん」にバーコードを貼付。生産・工程管理のデータ管理を実現した。そしてバブル崩壊後、自動車製造が多品種少量生産へ変化し、情報を扱う量が大幅に増えたことなどから、1992年に大容量のデータを扱えるQRコードの開発に着手した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス