アップルの「HomeKit」対応製品が続々登場--スマートホームで巻き返しなるか - (page 2)

Molly Price (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2019年08月13日 07時30分

 AppleはWWDCの基調講演で、プライバシーについて強調していた。「Homekit Secure Video」はスマートホーム分野の目玉機能であり、Appleは、録画された映像をユーザーが常に管理できるようにする挑戦的なデータストレージポリシーについて説明した。さらに、Secure Videoでは、HomeKitに対応したビデオカメラやカメラ付きドアベルで録画された10日分の映像を無料でクラウドに保管できる機能も標準で提供される。Secure Videoが既存のHomeKit対応カメラに搭載されるのかどうかは、まだ不明だ。一部のHomeKit対応カメラは、映像をリモートで保管できる有料サブスクリプションを提供している。

 Secure Videoを最初に採用する企業はLogitechで、2019年中にLogitechの既存の家庭用防犯カメラ「Circle 2」に追加される予定だ。

 Secure Videoは、防犯カメラ企業の経済面に興味深い影響をもたらすことになりそうだ。カメラの希望小売価格だけでなく、クラウドストレージサービスの月額サブスクリプション料金も売り上げを支えているケースでは、Secure Videoが10日分の映像を保管できるクラウドストレージを無料で提供することで、利益が奪われるように思える。

Circle

 筆者はLogitechと連絡を取り、AppleのSecure Videoを自社の製品シリーズに組み入れる道を選択したこと、そして、それが製品の価格と月額4ドル(約420円)で14日分の映像を保管できるLogitechの既存のサブスクリプションに及ぼす影響について尋ねた。同社は「Circle Safe」サブスクリプションの料金や提供、ストレージを変更する計画は全くない、との回答だった。

 当然ながら、HomeKitに関するこれらの最新情報と共に、いくつかの新製品も発表された。LIFXは45ドル(約4800円)の新しいHomeKit対応キャンドル電球を発表した。この電球は多彩な色を実現する技術を備えており、同時に複数の色を発光することが可能だ。色は簡単にカスタマイズできる。

LIFX
提供:Ry Crist/CNET

 LIFXは、薄くて細長いテープのような「Z TV Light Strip」という70ドル(約7400円)の照明ストリップの開発にも取り組んでいる。Z TV Light Stripは長さ1mで、テレビの後ろに置くことを想定している。同社が「一意にアドレス指定可能なLED」と呼ぶものを搭載しており、同時に複数の色に動きを付けて照らすことができる。DreamScreenやPhilipsによる同様の製品は、テレビに映っている色と同期するが、LIFXのZ TV Light Stripにそうした機能はない。ユーザーはLIFXアプリから色と動きを設定する。いずれのLIFX製品も米国では10月に発売予定だ。Z TV Light StripはBest Buyでのみ販売される。

 蛇口関連の設備を扱うMoenも8月1日に新機能をリリースし、同社の「U by Moen Smart Shower」システムにHomeKitのサポートを追加した。これにより、Siriコマンドを使用して、シャワーの湯水を出したり、温度を制御したり、プリセットを操作したりすることが可能になる。そのプリセットをHomeKitのシーンに追加することもできる。

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提供:Chris Monroe/CNET

 Googleや「Alexa」と連携するスマートホーム製品は無数にあるが、その多くは依然としてHomeKitに対応していない。Googleの「Nest」製品群のように、企業間の競争が理由である場合もあるが、単純にAppleの音声アシスタントであるSiriがメーカーに優先してもらえるだけの性能を備えていないことが原因の場合もある。

 筆者は、HomeKitによるスマートホームの選択肢が増えることを大いに歓迎している。この動きは、AppleがGoogleやAlexaに対抗し続けるためにできる最低限のことだ。人々に忘れられたくないのなら、AppleはSiriを中心に据えたスマートホーム製品の選択肢をもっと多く消費者に提供する必要がある。今回の一連の発表はその方向への第一歩であり、Appleがスマートホーム分野にとどまりたいのなら、それこそ同社がやるべきことだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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