Facebookは米国時間8月1日、サウジアラビア政府と関連があるとみられる偽アカウント数百件を削除したことを明らかにした。報道機関を装って敵対国を批判するなどしていたという。同社は偽情報対策が十分でないとして批判を浴びている。
Facebookはこれまでにも、ロシアやイランなどに関連する偽アカウントの削除を発表している。しかし、偽アカウントを政府と直接関連付けたことはなかった。
Facebookのサイバーセキュリティポリシー担当責任者を務めるNathaniel Gleicher氏は、ブログ記事で「この活動の背後にいる人々は身分を隠そうとしたが、われわれの調査では、サウジアラビア政府に関連する人物とのつながりが確認された」と述べた。
偽アカウントを扱っていた人物らは、報道機関を装い、偽の人格を作り上げてFacebookでページやグループを運営していた。サウジアラビア軍の成功やMohammad bin Salman皇太子の政策に関するプロパガンダを投稿したほか、イランやカタール、トルコなどの国を批判したり、衛星テレビ局Al-Jazeeraや国際人権NGOのAmnesty Internationalの信頼性に疑問を投げかけたりしていた。
米CNETはサウジアラビア政府にコメントを求めたが、回答は得られていない。
同社は、Facebookアカウント217件、Facebookページ144件、Facebookグループ5件、Instagramのアカウント31件を、サウジアラビアに関係があるとして削除した。Facebookによると、これらのアカウントはFacebookとInstagramの広告に約10万8000ドル(約1100万円)を支払い、フォロワー数を増加させていたという。約140万件のアカウントがそれらのFacebookページの少なくとも1つをフォローしていた。
Facebookは、削除したアカウントについて、「組織的な虚偽の行為」に関与していたと説明している。つまり、アカウントの正体や目的について、誤った情報で人々を欺いていた。
またFacebookは、アラブ首長国連邦とエジプトに関連付けられた一連の偽アカウントも発見したが、これらについては政府の関与を明言しなかった。Facebookは、この2カ国に関連するFacebookアカウント259件、Facebookページ102件、Facebookグループ5件、Facebookイベント4件、Instagramアカウント17件を削除した。
Gleicher氏は、「こうした悪用を排除する取り組みで前進しているが、これまでにも述べてきたように、これは継続的な課題だ」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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