サムスン電子は現地時間7月31日、2019年第2四半期の決算(6月30日締め)を発表した。メモリーチップ市場の低迷や価格の下落、主力スマートフォンの販売不振が影響し、営業利益は前年同期比の半分以下と大幅に落ち込んだ。
営業利益は6兆6000億ウォン(約6000億円)と前年同期比56%減、売上高は56兆1000億ウォン(約5兆1400億円)で4%減だった。
半導体部門の営業利益は3兆4000億ウォンで、サムスングループ全体の収益に大きく貢献しているが、2016年第3四半期以降では最低にとどまった。
サムスンによると、データセンター関連の顧客が在庫調整を継続していることなどから、メモリーチップ市場の低迷や価格の下落傾向が続いているという。さらに同社は、2019年下半期のメモリー事業についても「不確実性が持続する」との見通しを示した。
サムスンはこの不確実な要素についてが具体的に明言はしていないが、日本が半導体など主要な素材の輸出制限を行うなど、日韓の間で加速する貿易摩擦を指すものと考えられる。
この輸出制限の影響を受けている競合他社には、SK Hynixのように、メモリーチップの生産量を抑える可能性に言及した企業もあるが、サムスンは現在のところそうした発表を行っていない。
モバイル事業の営業利益は1兆5600億ウォンで、アナリストの予想を大きく下回った。前年同期は2兆6700億ウォン、前期は2兆2700億ウォンだった。
サムスンは「Galaxy S10」の販売が減速しているとともに、ローエンドからミドルレンジで競争が激化していると説明した。下半期は「Galaxy Note 10」と「Galaxy Fold」のリリースで収益の増加に尽力したいと述べた。
サムスンは決算報告の中で言及していないが、Galaxy Foldのリリースの遅れが、予想を下回る要因となった可能性がある。Galaxy Foldはレビュー端末に不具合が生じたことからリリースが延期された。当初4月にリリースが予定され、この折りたたみデバイスの販売が収益性の強化につながる可能性があった。Galaxy Foldは9月に発売される予定となっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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