倉庫向けオートメーションシステムを開発するFetch Roboticsが、シリーズCで4600万ドル(約50億円)を調達したと発表した。これで資金調達の総額は9600万ドル(約100億円)になり、かつての血気盛んな新興企業が、新世代の柔軟な産業オートメーションにおける有力企業としての地位を固めている。
Fetch Roboticsは、有名なロボット研究開発企業Willow Garageに所属していたロボット工学の草分け、Melonee Wise氏が2014年に創業した会社であり、規模を柔軟に変えて需要に対応できる、産業オートメーションの新カテゴリーに分類される。倉庫内を自律的に進むカートや可動式のピックアンドプレース(つかみ、置く)ロボットを含む自律移動ロボットに加え、企業のニーズがわずか数台から数十台まで、あらゆる規模の物流業務に完全オートメーションのスタックを融合させるクラウドベースのロボット工学ソリューションをうたっている。
このような事業は、オートメーションがもたらすスピードと、労働市場が厳しいなか管理職の最憂慮事項となってきた労働力不足を強調するものだ。こうしたニーズに対し、Fetch Roboticsに加えてLocus Roboticsやギークプラスなどの競合企業は、柔軟なオートメーションを提供して応えている。
Fetch Roboticsの最高経営責任者(CEO)、Melonee Wise氏はプレスリリースで次のように述べた。「顧客が当社独自の『Cloud Robotics』ソリューションを熱烈に歓迎してきたので、当社も、提供するものを拡大し強化していくのに必要な資金を確保することで、それに応えている」
「物流分野では、優秀さを目指す競争圧力がかつてないほど大きくなっている。当社の自律移動ロボットとクラウドプラットフォームを利用すれば、顧客は財務目標を達成しつつ、自社の顧客の要求を満たすこともできる」
今回の資金調達の前にも、Fetch Roboticsはいくつかの大きな勝利を収めている。カスタマイズされた輸送および物流ソリューションのフルサービスプロバイダーであるUniversal Logistics Holdingsは先頃、テネシー州スマーナにある100万平方フィート(約9万3000平方m)の物流施設に「Fetch Cloud Robotics Platform」を導入した。この物流施設は、北米最大の自動車生産施設である近隣の日産自動車工場にサービスを提供している。
最新の資金調達ラウンドはFort Ross Venturesが主導し、CEAS Investments、Redwood Technologies、TransLink Capital、Zebra Venturesが新たに参加した。既存の出資者であるO’Reilly AlphaTech Ventures、Shasta Ventures、Softbank Capital、Sway Venturesも参加している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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