米ロボットベンチャー企業Fetch Roboticsの最高経営責任者(CEO)を務めるMelonee Wise氏は、「Fetchは実際にはソフトウェア企業であり、それがたまたまロボットを作っているにすぎない」と話す。Fetchが「Freight」ロボットのラインアップに追加した2つの新しいロボットについて、米ZDNetがWise氏に詳しい話を聞いた。
初代のFreightと同様、新しい「Freight500」と「Freight1500」もマッピングアルゴリズムを使うことで、人間の助けやインフラストラクチャの変更なしに移動できる自律移動ロボット(AMR)だ。これらのロボットは製造現場や倉庫で重たい荷物を運ぶことができる。Fetchのロボットは比較的小型で、高さは14インチ(約35.6cm)。それでも、初代バージョンが約100㎏しか運べなかったのに対し、新型では最大1500kgに対応する。
Wise氏はロボット工学のインキュベーターであるWillow Garageでロボット工学のキャリアをスタートさせ、「Robot Operating System」(ROS)の開発において中心的な役割を果たした。ROSは現代のほぼ全てのロボットに搭載されているソフトウェアだ。同氏が現在注力しているのは、ロボット工学の商業化である。「われわれロボット工学者が苦手なことの1つは、自分たちのアイデアを研究所から現実の世界に持ち出すことだと思う。そのため、私は今、人々が現実の世界で使ってくれる製品を作ることに集中している」(同氏)
Fetchの初代Freight AMRは比較的小さなアイテムをいろいろな場所に運ぶのに便利なソリューションではあるが、同社は現在、現実の世界からのフィードバックに基づいて、Freightのラインアップを拡充しようとしている。「部品から箱、パレットまで、さまざまなサイズのものを運びたい、という要望が複数の顧客から寄せられた」(同氏)
パレットを運ぶ大型ロボットを導入できるスペースはないが、それでも重たい荷物を運ぶのに助けを必要としている施設もある。こうしたケースでは、最大500kgの荷物を運べるFreight500が最適だ。もっと大規模な製造工場では、さまざまなサイズのロボットを導入して、それぞれが自らに最適なタスクを担当するようにするといいだろう。
「われわれは十分な最大積載量とロボットのサイズの間の適切なバランスを探っている。これらのロボットはかなり大きいからだ」(同氏)
これらのロボットは、施設内の1つの場所から別の場所へアイテムを運ぶのを助ける。Freightは、在庫を追跡する「Trax」コンピュータビジョンと共に小売店で使われている。
「われわれは、複数のFreightを導入済みのあるFortune 500企業と協力している。この企業は新しい2つのロボットの試験を当社と共同で行う準備を進めている。その狙いは、倉庫や小売店のあらゆるレベルにロボットを導入して、受注から箱詰めまでの処理時間を短縮することだ」(同氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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