ボストンに本社を置くRethink Roboticsは、産業用ロボットを人間の労働者と共に作業できるようにする取り組みを主導した先駆的な企業の1つだ。同社は米国時間10月3日付けで廃業したことを明らかにした。これは多くの人にとって予期せぬニュースであり、ロボティクス業界に衝撃を与えた。この業界では、Rethinkは新しい産業用オートメーションの枠組みの模範的企業とみなされていたからだ。
Boston Globeの報道によると、Rethinkは身売り(買収企業の名前は明かされていない)によって廃業を回避する取り引きの最終段階に達していたという。結局、その取引が成立することはなく、Rethinkは廃業を余儀なくされた。
最高経営責任者(CEO)のScott Eckert氏によると、Rethinkは資金不足が危険な水準に達していたという。今回の発表後、100人近くが職を失ったとみられる。
Rethinkの廃業が意味することについて、さまざまな見解を知るため、筆者は複数の業界関係者と連絡を取った。筆者が特に知りたかったのは、Rethinkの廃業は現在の協調オートメーション市場が過大評価されていることを示唆するのか、ということだった。
IT市場の調査会社IDCのサービスロボット担当リサーチディレクターであるJohn Santagate氏は「私はそうは思わない。新しい分野の先駆者になるリスクを負った結果だと思う」と述べた。
さらに同氏は「Rethinkは安全で使いやすく、極めて順応性の高い協働ロボットの市場を創出する一助となった。しかし市場に参入したときに注目を集めたので、より名の知れた他のロボット製造業者も興味を示すようになり、独自の協働ロボットを市場に出し始めた。ABB、安川電機、KUKA、ファナックといった企業がポートフォリオを拡張させ、使い勝手が良く、極めて有能で、非常に順応性の高いロボットの分野に進出した」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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