Googleの社内インキュベーター部門Area 120は、企業の採用担当者向けオンラインツール「Byteboard」を発表した。応募するエンジニアの実用的なスキルを、迅速かつ客観的に見極められるように支援するものだ。
Byteboardの狙いは、企業が面接時にエンジニアに求める能力と、実際のエンジニアリング業務で必要な知識とのギャップを埋めることにある。
Byteboardのプロジェクトベースの面接により、実際に業務で利用されるエンジニアリングスキルを効率よく評価することができる。
Area 120のByteboard担当ゼネラルマネジャーのSargun Kaur氏によると、このツールでは、応募者が実務的な課題の解決に取り組み、公正な面接体験を作り出す。
Kaur氏は、「匿名化した体系的な評価プロセスを提供するため、採用担当者はツールの推薦情報を信頼できる。実際に対面で行う面接の数を絞り込み、自信を持って採用できる」と説明した。「また応募者は、自分の時間に実際のコーディング環境で、実際の設計と実装の問題に取り組むことができ、プレッシャーの高い理論的なテストのストレスから解放される」(同氏)
また、このプロセスによって、採用者は「データに裏付けられた採用の決定」を下すことができるようになり、それはすべての人により効果的、効率的に、公正なものになるとKaur氏は述べている。
Byteboardは、「Java」「Python」「Ruby」「C++」「C#」「JavaScript(node.js)」「Go」の7つのプログラミング言語で提供されている。現在はバックエンドとフルスタックのエンジニアリング向けだが、年内にはフロントエンド、データエンジニアリング、テスティング、モバイルエンジニアリングの職務にも対応する。
Googleによると、Byteboardは社内で行う技術スキルの面接を置き換えられるように作られており、面接内容の策定、実施、評価までを、エンドツーエンドに支援する。企業は、対面インタビューの候補者を効率よく絞り込めるため、その分、より可能性のある候補者との直接的な対面や、カンファレンスや大学のキャンパスで行うリクルートに時間を費やすことができるという。
Byteboardには、応募者が実務での問題解決とあまり関係のない理論的な問題の勉強に時間を費やさなければならないという、従来の技術に関する面接の問題を解消する狙いもある。
またByteboardには、問題解決スキルのほか、「役割に関連するコンピューターサイエンスの知識、コーディング能力、成長マインドセット、人間関係的なコミュニケーション」などを評価することで、従来の面接を改善する狙いがある。
Byteboardの評価チームは、経験豊富なソフトウェアエンジニアから成る。匿名化されたデータを基に、ソフトウェアエンジニアリングに関する20以上の必須スキルを評価し、応募者のスキルプロファイルをまとめる。
「Byteboardによる匿名化され、構造化された面接の評価を通して、採用マネージャーは無意識の偏見に依ることなく、自信を持って決定できる」とKaur氏は説明した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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