フロリダ州オーランド警察、アマゾン顔認識技術の試験を中止との報道

Abrar Al-Heeti (CNET News) 翻訳校正: 編集部2019年07月20日 08時30分

 米フロリダ州オーランド警察は顔認識技術「Amazon Rekognition」のプログラムを複数の問題により中止したと、Orlando Weeklyが米国時間7月18日に報じた。2018年5月、米国自由人権協会(ACLU)が入手した電子メールにより、AmazonがRekognitionをオーランド警察やオレゴン州ワシントン郡警察に提供していることが明らかになっていた。

Denis Charlet / AFP/Getty Images
提供:Denis Charlet / AFP/Getty Images

 オーランド市にとって2度目となるRekognitionの試験は、2018年10月に始まった。Orlando Weeklyによると、試験用のカメラがオーランド警察本部に4台、同市の商業地区に3台、地域レクリエーションセンターの外部に1台設置された。このAmazonの技術は、顔認識アルゴリズムを利用してリアルタイムで容疑者の捜索と追跡を行うためのものだ。

 「現段階では、当市は必要な設定や検証の完了に向けて顕著に進展できるようにするためのリソースを試験に投じることができなかった」と、オーランド市の主任行政事務所が市議会へのメモに記したとOrlando Weeklyは報じている。同事務所は「この種の顔認識技術を研究するための今後の試験に関する計画は当面予定していない」としているという。

 AmazonのRekognition技術は、数千万もの顔のデータベースを利用して写真に写っている最大100人分の顔の検出と分析が可能だと同社は述べている。ACLUは、法執行機関による同技術の使用に懸念を示しており、この技術が政府に悪用されると「有色人種や移民などのコミュニティーやAmazonが築いてきた信頼と尊敬を深刻な脅威にさらす」恐れがあると述べている。

 マサチューセッツ工科大学(MIT)は1月、Amazonの顔認識技術は肌の色が濃い女性の性別を識別する精度が劣るため、性別の認識に偏りがあることを示唆する調査結果を公開した。

 オーランド市とAmazonの試験が終了し、ACLUが同社の最高経営責任者(CEO)のJeff Bezos氏にプライバシーについて懸念を示す書簡を送付した後の2018年6月、オーランド警察はRekognitionの使用を一旦停止した。Amazonの従業員らも5月に同社による警察機関へのRekognitionの販売に抗議したが、オーランド警察は同技術の評価にさらに時間が必要だとして、翌6月に第2の試験を開始した。

 オーランド市によるRekognitionの第2試験中に行われたOrlando Weeklyとのインタビューで、同市の最高情報責任者(CIO)のRosa Akhtarkhavari氏は、帯域幅の問題により市の職員が複数のカメラを利用したソフトウエアを実行できなかったと述べた。

 さらに、オーランド市が使用していた監視カメラは解像度不足のためボランティアで被写体を務めた職員を鮮明に表示できなかったとOrlando Weeklyは報じている。

 Amazonとオーランド警察にコメントを求めたが、すぐには回答を得られなかった。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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