ワシントン大学の研究チームは、命にかかわる突然の心停止をスマートスピーカーで検知する技術の開発に成功した。
心臓が停止すると生命が危険にさらされるが、停止直後に心肺蘇生(CPR)を施すと生存率を2倍から3倍に高められるそうだ。ただし、就寝中や1人でいるときに心停止を起こすと、周囲の人に気付かれなかったり、助けてくれる人がいなかったりして、死亡リスクが大きい。
研究チームは、心停止時に起きる死戦期呼吸(ギャスピング)という特徴的な呼吸パターンに着目。マイクで拾ったギャスピングの音を機械学習(マシンラーニング)システムに解析させ、心停止かどうか判断するアルゴリズムの開発に取り組んだ。
緊急通報電話の録音データを使ってギャスピング音を学習させたところ、最大6m離れた場所から計測して97%の精度で死戦期呼吸を識別できたという。死戦期呼吸の音とよく似たいびきや睡眠時無呼吸症候群の呼吸音を、区別することにも成功した。
実用化できれば、死戦期呼吸を検出したら警告音などで助けが呼べる。自動的に緊急通報することも可能だ。
このアルゴリズムは、「Google Home」「Amazon Alexa」といったスマートスピーカー用のスキルとしてや、スマートフォン用アプリなどとして提供できる。
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