ワシントン大学の研究チームは、耳の鼓膜から奥にある中耳腔と呼ばれる部分に液体がたまっているかどうか検査するスマートフォン用アプリを開発した。子どもがかかりやすい滲出(しんしゅつ)性中耳炎などの簡易検査を、家庭で実行できるという。
中耳の部分に何らかの原因で液体がたまると、中耳炎などの感染症を起こす。子どもがよくかかる病気で、難聴や発熱、痛みなどの症状が現れて学習や発声の妨げになることがある。しかし、症状がはっきりしなかったり、まったく症状が出なかったりするうえ、小さな子どもだと状況をうまく伝えられないこともあり、診断は難しいそうだ。
研究チームの開発したアプリは、スマートフォンのスピーカーから検査用の音を出し、同じスマートフォンのマイクで拾った鼓膜からの反射音を調べる。診断には、中耳腔に液体がある場合とない場合で反射音の周波数特性が異なることを利用している。
このアプリで検査をしたところ、専門医が専用の器具で検査する精度と同程度の、85%の確率で滲出を検出できたという。
子どもの耳の不調を家庭でも簡単に検査可能となり、医者に診せるかどうかの判断に役立てられる。
開発したアプリの紹介ビデオ(出典:ワシントン大学/YouTube)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス