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フェイスブック ジャパン長谷川代表が語る「退任の真意」--独占ロングインタビュー - (page 3)

藤井涼 (編集部) 日沼諭史2019年07月08日 09時00分
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日本が世界で勝てるビジネス展開、本当はできるはず

――長谷川さんにとってフェイスブック ジャパンはどのような会社でしたか。

 なかなか一言では言い表せないですね……。今後は自分でビジネスを始めるつもりでいますが、もしそうでなかったら、まだまだ喜んで働き続けたいと思える会社です。自分にはすごくフィットした、素晴らしい会社だったなと胸を張って言えますね。

 特徴的なのは、本当にミッションドリブンな会社であること。世界中の人をつないで距離感を縮める、そのためだけに存在している会社なので、あらゆるところでそれを一気通貫でやりきっているところは、自分自身も入社してから新鮮さを感じたところでもあります。

 たとえば、AIやVRなどのテクノロジーは、あらゆるテック系企業もそれ以外の企業も注力しているし、投資もしていて、研究もしている領域だと思います。ですが、僕らはミッションが人と人のつながりなので、VRの研究についても、それによってどう距離を超えた新しいつながりが生まれるか、というほぼその一点に集中して向き合っているんですね。

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 AIについても、AIによっていかに多くの人が安心・安全に、快適につながれるか、ということのために使おうとしているので、何でもかんでもあらゆるテクノロジーに手を出します、ということではない。ミッションに基づいて、いろいろなものが導かれているところはすごく新鮮でした。

 ビジネスとか事業の考え方も主従がはっきりしています。よく僕らが言っているのは、「金儲けのために人をつなぐことは一切やりません、人をつなぐために事業をやります」ということです。なぜなら、世界中の人をつないで、その距離を縮めようと思うと、当然ながらテクノロジーに投資したり、エンジニアをたくさん雇ったりしなくてはいけません。

 そういうことをグローバルスケールで継続的にやろうと思うと、やはり事業が健全じゃなければミッションが実現できませんので、そこはすごく主従がはっきりしています。僕自身もそれにすごく共感できたので魅力的だと感じました。

 あとは、人の部分でもすごく強烈なインパクトがありました。本社の幹部も含めて、みんな頭が良くて優秀なのですが、それに加えて性格も良い。普通に友達になりたいし、ご飯も一緒に行きたいし、週末一緒にサーフィンに行ってもいいかなと思うような人たちで、なおかつ自分自身の人生もしっかり楽しんでいる。家族や友人を大切にしている人もいれば、NPO活動やコミュニティのサポートを楽しんでいる人もいる。

 この3拍子すべてがかなりレベル高く揃っている人が多いと入社する前にも感じましたし、入社してからも、いろいろな人に会うたびに常に刺激をもらいました。Facebookのミッションと人、そこはやはり際立っているかなと思います。

――退任後の目標や、人生をかけて成し遂げたいことはありますか。

 次はもう転職はせずに自分で事業をやると決めているので、8月までは現職を全うして、そこからは具体的にどういう風に事業をやるのか、それによってどう日本の経済やスタートアップのコミュニティに貢献していくのか、ということをこれからもう少し詰めていくことになります。

 フェイスブック ジャパン(の代表)として多くの方とお話させていただく機会がものすごく増えたのですが、もっともっと日本はいけるという実感があるんです。これが直接的に正しい指標かは分かりませんが、たとえば国際特許の数は日本も多くて、テクノロジーや何かを生み出す力はあるんだと。ただ、それがグローバルにスケールするビジネスにまで変換できているかと言うと、その部分で苦戦していたり、そういうこと自体を目指してる方がまだまだ少なかったりということが他の国と比べて目立つと思うんです。

 それが良い悪いの話ではないのですが、まだまだそこに成長の機会はあるのかなと。本当は日本でも、グローバルプラットフォームなどを活用して世界で勝てるビジネスを展開できるはずだし、そういうことができる時代でもあります。この部屋からインドでも米国でも、中国でも直接コミュニケーションしてビジネスできる時代なので、それは自分自身としても日本にとっても成長余地がある部分だと思いますし、個人的にパッションを持っている分野ですね。

 もう1つは人材です。私の場合はグローバル企業、日本企業、グローバル企業、日本企業という形で、ちょうど交互に働いているのですが、その中で改めて日本人が持っている強みとか特徴とか、良さを再実感する機会があって、そこは世界でも通用すると思っています。

 であれば、エコシステムとして、グローバルでも通用するような日本の人材をどう育成していくのか、そういう人材になろうと思ってもらうための刺激を、どういう風に社会として提供し続けるのか、どういうサポーターを用意するのか。そのあたりは大きな課題と感じています。この2つは自分の中で大きなテーマとして、ライフワークとしても、残りの人生を費やしたいと思っています。

――フェイスブック ジャパンの次の代表は、どのような人に任せたいですか。

 あまりこだわりはないですね。あるとしたら、安心してビジネスも組織も人も、ミッションの実現も含めて、まるっとバトンタッチできる人にお願いしたい。僕自身のやり方を継承してほしいというのはないです。

 オフィスも新しいところに移りますし、フェイスブック ジャパンという会社が次のフェーズに行くための儀式だと思っているので、まっさらなところから、次のフェーズに持っていくことを考えてやりきれる。そういう方にバトンタッチできたらいいですね。

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