同社によれば、現在は140以上の国と地域の2万5000以上の学校に同社の製品が導入されているとのこと。中国全土の小中学校や大学にメイカースペースを提供しているほか、フランスの出版社と共同で教師や学生用の教材を作り、現地の6000以上の公立学校に導入。さらに、メキシコ政府がMakeblock製品によるロボット教室を開き、1000人近い学生が参加した実績を持つという。
日本の企業や自治体とも積極的に連携している。2016年に日本支社を立ち上げ、2017年にはソフトバンクグループのSB C&Sと正規販売代理店契約を締結して、STEM教育用ロボットの日本展開を始めた。現在は、ビックカメラやヤマダ電機、ヨドバシカメラなどの家電量販店のほか、伊勢丹、三越、西武、高島屋などの百貨店でも、同社の教育ロボットが販売されている。
また、行政・企業との取り組みとして、文部科学省、総務省、経済産業省が2019年度に取り組む「未来の学び プログラミング教育推進月間」において、トヨタ自動車や日本郵便、ヤマトホールディングスなどが開く授業の中でmBotが教材例として掲載されている。また、2018年8月にはAIを搭載したSTEM教育用ロボット「Codey Rocky」200台を大阪市に寄贈。2019年度以降にプログラミング教育の教員研修をはじめ、大阪の公立小学校の教材としても活用され始めているという。
教育機関向けには、2018年8月と2019年3月に埼玉大学で開かれた「STEM教育カンファレンス」を協催。教育学部の学生と連携し、埼玉県内の小中学校でMakeblockの製品を利用したプログラミング教育の指導案を実験・開発しているという。さらに、城西大学とは教員免許状更新講習で、小中学校の教師向けにmBotを活用した教育実例を紹介。このほか、東京都教育委員会が指定する2018年度と2019年度のプログラミング教育推進校のうち5校がmBotを指定し、2年間の実践研究や公開授業を実施する予定だという。
直近では2019年5月に、世界中で子どものプログラミング教育を推進する国際非営利コミュニティ「CoderDojo」の日本法人と提携を発表。新製品のシングルボードコンピュータ「Makeblock HaloCode」を200台提供し モニタリングプログラムを実施しているという。
なぜ、これほどの実績をすでに日本で残しているのか。同社唯一の日本人スタッフで、日本向けの事業担当者でもある東野万美氏は、「根底にあるのは製品の品質の良さ」だと説明する。実際、深センに視察に来た省庁や教育委員会、企業の担当者が同社を訪れ、製品を体験することでこれらの提携につながることも少なくないという。
日本のグーグルで「STEM教育 ロボット」で検索すると、Google ショッピングの検索結果には様々な教育ロボットが並ぶが、その中でもMakeblockの製品は数多く表示されており、存在感を示している。同社の製品を日常生活で当たり前のように目にする日はそう遠くないかもしれない。
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