中国の深セン市で電車に乗る人は、近いうちに顔認証で運賃を支払えるようになるかもしれない。現在この技術の試験運用が進められている。
これは高速の5Gネットワークによって可能となる多様な技術の1つで、地下鉄会社の深圳地鉄が検証を進めている。
South China Morning Postによると、深センにある福田駅で実践されているこの構想は、通勤・通学者が改札ゲートに取り付けられているタブレットサイズの画面で自分の顔をスキャンするものだ。運賃はひも付けられた利用者の口座から自動で引き落とされる。
記事によると、現在、同市の地下鉄の1日当たりの乗車回数はおよそ500万回。深圳地鉄は、顔認証による運賃支払いサービスの正式な開始時期について明らかにしていないという。
この構想は、中国全土への顔認証システムの導入という野心的な取り組みの一環だ。上海虹橋国際空港は2018年10月、顔認証技術を利用して、乗客がチェックインや荷物の預け入れ、セキュリティチェック、搭乗をセルフサービスで行う機器を導入した。同様の取り組みが、北京市や河南省の南陽市にある空港でも進められている。
アジア太平洋地域で空港に生体認証機能を導入する国は、中国に限らない。11月、日本の成田国際空港の第3ターミナルの税関で、顔認証技術を用いた電子申告ゲートの検証が2019年4月以降に開始されることが発表された。
また、2019年1月に日本で導入された出国税により、政府は年間約500億円の税収を見込んでおり、その一部は空港での出入国手続きを迅速化する顔認証システムの導入に充てられるとされている。
さらに、オーストラリアのシドニー空港では2018年7月より、Qantas Airwaysの一部の国際線搭乗者を対象に生体認証技術の試験運用が行われた(現在は終了)。この試験運用では、顔認証技術を利用することによりチェックインや荷物の預け入れ、ラウンジの利用、機内への搭乗が迅速化された。今後の検証では、モバイル機器によるチェックインや出入国管理の自動化などが検討されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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