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全自動ドローンの雄、センシンロボティクスが目指す“DaaS社会”とは - (page 3)

西中悠基 (編集部)2019年06月21日 15時55分
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ーー日本は法改正や規制見直しに時間が掛かるイメージがありますが、ドローンでそのようなことを意識することはありますか。

 もちろんあります。ただ、今は航空法を改正する流れが生まれていますので、状況を見守りつつ、繋がりのある政治家や官僚にプッシュする形になっています。たとえば、乗用のエアモビリティ開発を目指す「空の移動革命に向けた官民協議会」の取り組みによって、密集地における目視外飛行が認可されれば、それは私たちにとっても大きなメリットが生まれます。ただし、現行法の時点でしっかりとした枠組みが作られているので、ドローンを飛ばす上ではそれ以外に私たちが影響を受ける部分はありません。

 航空法以外では、私有地や人の上を飛ぶ際の認可問題が解決すれば、さらに機動性が上がると思います。現在は土地の所有権に関連して、私有地の上空をドローンが飛行するには、所有者の認可を得る必要があります。自治体が災害対策や防災で飛ばす際には特例で認められると思いますが、それ以外の場面では、川や道路の上空しか飛べないことが想定されます。一直線に飛べばいいのに迂回して飛ぶ無駄が起こり得るので、今後も実装上の問題になってくると思います。

 他には電波法の問題もあります。こちらは今年度中に解決する見通しが立っていますので、この先の大きな障害とはならないでしょう。


ーー数年以内には目指すものが実現するということでしょうか。

 だと思います。エアモビリティについては、今後さまざまな実験を数十年単位で進める必要がある、非常にスパンが長いものです。一方で、私たちが注力している分野で見ると、あと2~3年で全ての規制がクリアされると思います。現時点でも進められる部分はかなり多いです。

 あとは国民に対し、ドローンをプロモーションしていく必要があります。得体の知れない物体が頭上を飛ぶのであれば、忌避感を覚える人もいるでしょう。法律以前の問題として、このような感情論の課題を解決して、ドローンが当たり前になる世界にしていかなければなりません。

ドローンの機能を必要に応じて使える世界を目指す

ーードローンがインフラの一部として社会に定着した未来について、センシンロボティクスとしての将来像はどのようなものなのでしょうか。

 私たちが目指しているのはDaaS(Drone as a Service)です。ドローンの機能をさまざまな企業や業界が必要に応じて使える環境を、プラットフォームとして提供する世界です。この世界のプラットフォーマーとしての立場となることを目標として、現在はベースを作ることに心血を注いでいます。そして、このプラットフォームが完成してしまえば、ドローン業界において非常に良いポジションを占めることができます。

ーーDaaSの実現という目標に対して、現状はどのくらいの進捗度なのでしょうか。

 警備やインフラ点検の導入事例はありますが、進捗で見るとこれからですです。必要性は理解されていますが、では業務全体の何%を置き換えられているかというと、まだ1%未満、実験的に導入している段階です。毎日のオペレーションで活用するのは現実的ではありません。

 ドローンソリューションの価値自体は、かなり認知されています。しかし、それを毎日飛ばすとなるとなかなか難しく、業務体型に組み込むには課題があります。ですので、事業化したり運用するモデルを考えなければ、進捗しません。価値を感じてもらうことを進捗の一つだと考えれば、割と進んでいるとは思います。「面白いね」「これはいいね」という段階なので、実装という観点ではまだまだですが、社会に浸透させるチャンスでもあります。

ーードローンの導入は今後数年以内に進むということでしたが、例えば2年後の進捗度はどうなっているのでしょうか。

 何を100%とするかによりますが、普及率で考えればまだ5%ほどでしょう。

 2年後の売り上げ規模を考えると、10億円から20億円だと思います。ドローン業界でのシェアは半分ほどを占めているでしょうが、まだ業態が定着せず、市場全体のポテンシャルから考えれば進捗度もまだまだです。普及が進むには、10年程度のスパンが必要になるでしょう。BtoB市場は新たなソリューションの導入には時間が掛かりますから。

 たとえば、「クラウドを活用しましょう」と何年も言われ続けていますが、未だに100%の定着率にいたっていません。ドローンはまだ始まったばかりですし、スタートの柱も高いので、導入されるスピードはこちらの方が上だと思いますが、1年2年でガラっと変わる市場でもありません。

 ただ、ドローンは面白いマーケットでもあります。一度組み込めば、それを放棄することはないので、着実に積み上げて広げていく世界だと思います。腰を据えて長く見ないとビジネスとして成り立たない業界です。ひとまずは、法改正を考えるとこの2年が大事になると考えています。

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