NVIDIAは米国時間6月17日、世界で22番目に高速なスーパーコンピューター「DGX SuperPOD」を発表した。その狙いは、自動運転車に搭載されているアルゴリズムやニューラルネットワークをトレーニングし、ソフトウェアを改善して路上での走行性能を高めることにある。NVIDIAによれば、1台の自動運転車が収集するデータは、1時間あたり1テラバイトに達するという。このデータ量にすべての自動運転車の台数を掛け合わせれば、どれほど膨大な量のデータが必要になるのか想像できるだろう。
DGX SuperPODは、わずか3週間でシステムを構築できる。96台のスーパーコンピューター「NVIDIA DGX-2H」と1536基のGPU「NVIDIA Tesla V100 Tensor Core」などで構成されたDGX SuperPODは、システム全体で9.4ペタフロップの処理能力を叩き出す。このシステムがどれほど強力なのかを示すためにNVIDIAが挙げた例によれば、人工知能(AI)トレーニングモデル「ResNet-50」が登場した2015年、当時最新だったシステムでこれをトレーニングするのに25日かかっていたが、DGX SuperPODなら2分未満で完了できるという。にもかかわらず、DGX SuperPODは驚くほど巨大なシステムではない。NVIDIAによれば、全体の設置面積は、数千台のサーバーで構成される類似製品の約400分の1で済むという。
DGX SuperPODは「DGX」シリーズの最新製品だが、同シリーズのスーパーコンピューターはすでに、膨大な処理能力を求めるさまざまなメーカーや企業で利用されている。NVIDIAがこの日投稿したブログ記事によれば、BMW、Continental、Fordといった企業が、さまざまな目的でDGXシステムを使用しているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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