GA technologiesは6月12日、2019年10月期第四半期の決算説明会を開催した。人材獲得や広告面で投資をしてきた成果もあり、売上高は第1四半期に比べ28%増の94億1100万円、営業利益は同225%の2億5500万円となった。
中古マンションの検索やリノベーション、不動産投資の総合サイト「RENOSY(リノシー)」は、会員数の獲得、セールス人員の確保、セールス1人あたりの売上高(ARPA)の3つが事業成長のKPI。第2四半期では、会員数は4万2564人(第1四半期に比べ5473人増)、セールス人員は78人(同26人増)、ARPAが1億7000万円(同1億4100万円)といずれも成長を遂げている。
GA technologies 代表取締役社長CEOの樋口龍氏は「各指標の伸びに伴い、成約件数も増えた。現在約300人のスタッフがいるが、エンジニアが一番多い。不動産会社は数多くがあるが、エンジニアがいない会社もある。その中でもきちんと採用できているのは、5年も10年も私たちが先を行っているためと自負している」とした。
GA technologiesでは、ネットとリアルの両方を持ち、デジタルマーケティングから対面コミュニケーションまで、テクノロジー✕リアルを実現するセールス体制が特徴だ。樋口氏は「今までの不動産営業は、1人のエージェントがすべてを行っていた。しかし接客中に問い合わせが来ると対応ができない。私たちは、お客様からの問い合わせに対応するインサイドセールスと、実際に対面でコミュニケーションをするフィールドセールスの分業制。これにより、お客さまにいち早く対応できる」とセールス体制を説明した。
セールス以外にも、物件の検索から、比較・検討、申込み、交渉・契約、管理まで、一気通貫でのサービスを整える。「この体制は、自社でECサイトから物流まで持つアマゾンと全く同じ。一気通貫の業務により、ユーザービリティが高い設計になっている。GA technologiesは創業時から不動産のアマゾンを目指している」(樋口氏)と話した。
現在の不動産購入については「非常に複雑でプレーヤーが多い、問題の多い業界。この部分を一気通貫ですべてを管理することで、お客様にとってストレスのない滑らかな取引が可能になる」と一気通貫で手がける意味を説明した。
一方、賃貸領域を担うイタンジでは、不動産管理会社向けの業務支援システムなどのBtoB事業を展開。それに加え8月にはBtoC向けのセルフ内見型新賃貸サービスの開始を予定しているという。
新サービスは、仲介会社が間に入ることで、手間や費用が発生する現状に比べ、新賃貸サービスにスマートロックを組み合わせることで、セルフ内見ができるというもの。これにより仲介会社に問い合わせる必要がなく、手間が少なく、賃貸契約を結べるという。
イタンジ 代表取締役の野口真平氏は「BtoB事業で管理会社を獲得できれば、お客様に提供する物件が増え、集客が可能になる。BtoC事業の集客力が増えれば、BtoB事業で不動産管理会社の課題である空室率の課題解決につながる。双方に良い効果をもたらし、2つの事業で売上を伸ばしていける」と、双方のシナジーについて話した。
今後の展開については、「リノシーは売買と仲介で、イタンジが賃貸領域を手がける。不動産の入り口は賃貸。この部分を押さえられれば、売買や仲介にもつながると考えている。今後は、超高所得層向けの商品設計も検討していきたい」(樋口氏)とした。
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