医療のデジタル化が加速--M・ミーカー氏の2019年インターネットトレンドに見る - (page 2)

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル2019年06月14日 07時30分

 遠隔医療を取り入れる病院の数も増えている。米国の80%近くの病院がこのサービスを導入している。その一方で、医師のソーシャルネットワークである「Doximity」のようなツールは、医師間のコミュニケーションを改善し、知識ベースを拡大させるのに寄与しており、患者が適切な専門医の診察を受けたり、必要とする特定の治療を受けたりできる可能性を高めている。

 Clover Healthの加入者数も増加している。Clover Healthは、米国の医療保険プランであるMedicare Advantageの保険を提供する保険会社で、テクノロジーと予防医療を組み合わせることによって、患者の医療費削減と生活の質の向上を目指している。これに伴って、Medicare Advantageへの加入も拡大している。

 事業の管理面に目を向けると、電子健康記録(EHR)の使用は、米国で普及率が100%に近づきつつある。とはいえ、その使用はまだ初期段階にある、とレポートには記載されている。レポートでは、医師の約3分の2が依然としてEHRシステムの相互運用性向上を求めていることを示す調査データも紹介されており、医師は予測分析機能や、財務データとコストデータの統合も求めているという。

figure_3

 「Oscar Health」のようなデジタルヘルス管理ツールも軌道に乗っており、レガシーシステムを置き換える機会を病院や医院に提供している。さらに、医療ネットワークがコラボレーションツールを利用して、組織間で医療従事者を連携させることも増えている。

 医療データの急増のおかげで、医療業界自体も変化している。毎年何百万もの米国人が遺伝子検査を受けており、個人の遺伝子に関するデータの基盤が拡大している。

 大手のインターネット企業各社は、デジタル化された大量の医療データを手に入れようとしていることがレポートで強調されている。ますます多くの消費者がGoogleやAmazonのような企業を信頼して、自分の健康に関するデータを預けるようになっており、これらの企業がその信頼を利用する形になっている。例えば、Appleの「ResearchKit」は、医学研究者が臨床研究用データを収集する一助となっている。一方、Google傘下のDeepMindは人工知能(AI)を使用して、開業医のためにさまざまな洞察を明らかにしている。Amazonは2018年、オンライン薬局を手がけるスタートアップPillPackを買収した。

figure_4

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]