Microsoftはパスワードをまったく不要にしておらず、おそらく完全になくすこともないだろう。しかし同社は、「Windows 10 May 2019 Update」(バージョン1903)において、「パスワードレス」なエクスペリエンスの実現に向けて着実に歩を進めている。
同社は「Windows 10」をパスワード不要のプラットフォームにしたいと考えており、米国時間6月10日付けのブログ記事で、その実現に向けた複数の機能を紹介した。ユーザーはこれらの機能を使用することで、パスワードを考え出し、記憶しておかなくても、アカウントの作成や、ログインができるようになる。
これには、パスワード不要のサインインで使用する電話番号アカウントをWindowsに追加する機能や、「Microsoft Authenticator」アプリを用いてWindowsへの初回ログインを実行する機能、「Windows Hello」を用いてウェブ上のアプリにサインインする機能のほか、Windows HelloのPINをリセットするための新たな手順が含まれている。
これによりMicrosoftアカウントの作成時には、パスワードではなく、ユーザーが提供した電子メールアドレス、もしくは電話番号が使用されるようになる。
ユーザーはWindowsの「設定」アプリから、パスワード不要のサインインで使用する電話番号アカウントをデバイスに追加できるようになる。これにより、家族をメンバーとして該当デバイスに追加することもできる。その後、Microsoft AuthenticatorアプリやSMSコードによって初回のサインインを行うことになる。なお、このプロセスでもパスワードは不要だ。
このほかにも、MicrosoftはWindowsのロック画面に、ウェブを利用したサインインインターフェースも導入した。なお、その他のユーザーを追加するには、設定アプリの「アカウント」セクション内にある「Family & other users」(「家族とその他のユーザー」)を使用する。
家族が該当デバイスにサインインする必要が生じた場合、自らの電話番号か電子メールアカウントを入力し、アカウントにログインすることになる。その後、家族はサインインページに表示された2桁の数字を、自らのモバイルデバイス上のMicrosoft Authenticatorアプリに表示された選択肢から選ぶ。
またバージョン1903では、デバイス上の生体認証リーダーを使用したウェブサイトへのサインインにおいて、WebAuthentication標準(WebAuthn)規格を高い水準でサポートするようになっている。
最後に、MicrosoftはWindows HelloのPINを忘れてしまったユーザーのために、PINをリセットする新たな手順も利用可能にした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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