富士通は6月11日、体に身に着けて音を感じられるデバイス「Ontenna(オンテナ)」を7月より販売すると発表した。市場想定価格は、Ontenna本体が2万5000円前後、Ontennaコントローラが3万円前後。
Ontennaは、ヘアピンのように髪の毛に装着したり、耳たぶやえり元やそで口などに身に付けたりすることで、振動と光によって音の特性を体で感じられるユーザインターフェースだ。「まるで、ねこのヒゲが空気の流れを感じるように、髪の毛で音を感じることのできる装置」をコンセプトに、ろう者と健聴者が共に楽しむ未来を目指して、ろう者と協働で開発してきた。
Ontennaは、マイクとバイブレータ、LEDが内蔵されており、マイクが60〜90dBの音圧をリアルタイムに256段階の振動と光の強さに変換して、音のリズムやパターン、大きさを、髪の毛を通じて伝える。これにより、聴覚障がい者の方でも振動によって音が知覚できるため、例えば、車の接近や玄関でのチャイムの音に気付けるとしている。
まだ、ろう学校の教育現場での普及活用を目指し、6月11日より30校のろう学校から一部先行してOntennaの体験版を無償で提供する。Ontenna本体10台とコントローラ1台、充電スタンド11台をセットにしたもの。ろう学校総数は全国で118校あり、順次拡大予定としている。
このほか、イベント支援サービスとして、Ontenna30台を1日20万円から貸し出す。システム環境構築費やイベント当日の運営費も含む。
Ontennaは、富士通 スポーツ・文化イベントビジネス推進本部 企画統括部 Ontennaプロジェクトリーダーとして所属する本多達也氏が、学生時代から2012年より7年かけて開発をすすめてきたプロダクトだ。本多氏は、「障がいのあるなしにかかわらず、誰もが音を楽しめる未来をつくりたい」と語った。
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