YouTubeは米国時間6月5日、白人至上主義のような過激思想を推進する動画や、ホロコーストやサンディフック小学校銃乱射事件などの実際に起きた出来事を否定する動画を削除していく方針を明らかにした。新ポリシーでは、YouTubeでのヘイトスピーチに厳しい措置を取ろうとしている。
新しいポリシーでは、「年齢、ジェンダー、人種、カースト、宗教、性的指向、軍歴といった属性による差別や隔離、排除を正当化するために、あるグループが優越していると主張する」動画を禁止するという。
この規則変更に先立つ4日夜には、有名な保守派のコメンテーターであるSteven Crowder氏によるチャンネルをYouTubeが停止しないとしたことが議論を呼んだ。Crowder氏は、Voxの動画プロデューザーCarlos Maza氏に対し、同性愛を中傷するような言葉を使った。Maza氏は同性愛者で、Crowder氏が自分を「舌足らずのチビ」「小さなクィア」などと呼んだ部分を抜粋した動画を作成した。
YouTubeは4日夜、一連のツイートで、「通報があった動画を当社のチームが数日をかけて詳細に検討した。明らかに人を傷つける言葉が使われていたが、投稿された動画は当社のポリシーには違反していない」と説明した。
(2/4) Our teams spent the last few days conducting an in-depth review of the videos flagged to us, and while we found language that was clearly hurtful, the videos as posted don’t violate our policies. We’ve included more info below to explain this decision:
— TeamYouTube (@TeamYouTube) 2019年6月4日
YouTubeは5日、繰り返しヘイトスピーチの規則に「触れる」チャンネルは、必ずしも規則違反とは言えなくても、「YouTubeパートナープログラム」から削除することを明らかにした。このプログラムで、動画制作者はチャンネルに広告を掲載し、マネタイズ機能を利用できるようになる。また、その他の「境界線上にある」コンテンツを勧めることを制限するほか、同じ話題に関する信頼できる情報源による動画を「次の動画」パネルに表示するなど、より信頼度の高いコンテンツを勧める方策をとるという。
YouTubeはCrowder氏のチャンネルを停止していないが、5日になって、マネタイズについては一時停止措置とする意向をツイッターで明らかにした。
ただし、YouTubeはさらなるツイートで、Crowder氏が自身のTシャツなどのグッズを販売している動画からリンクを削除するなど、特定の問題について改善措置をとれば、再び自らのチャンネルでのマネタイズが可能になると述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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