ソフトバンクは6月3日、誤差数センチメートルで測位が可能なサービスを、11月末から法人向けに全国展開すると発表した。なお、5月28日にはNTTドコモが、衛星測位システムを活用して、誤差数センチメートルの測位を可能にする位置情報サービスを10月から提供すると発表していた。
このサービスは、準天頂衛星「みちびき」などのGNSS(QZSSやGPS、GLONASS、Galileoなどの衛星測位システムの総称)から受信した信号を利用してRTK(Real Time Kinematic)測位をすることで、誤差数センチメートルの測位を可能にするもの。RTK測位とは、固定局と移動局の2つの受信機を利用し、リアルタイムに2点間で情報をやりとりすることで、高精度での測位を可能にする手法のこと。
同社では、自社の基地局の設置場所を活用することで、RTK測位に必要となる独自基準点(固定局)を全国3300カ所以上に設置するという。また、サービスの提供開始に先駆けて、ヤンマーアグリ、鹿島建設、SBドライブと連携し、各産業での実用化に向けた共同実証を7月から順次実施する予定。
具体的には、同社独自の基準点が受信した信号を基に、「測位コアシステム」(提供:ALES)で補正情報を生成。同社のモバイルネットワークを通して農機や建機、自動運転車、ドローンなどに搭載されたGNSS受信機(移動局)へ補正情報を配信する。
この補正情報と、GNSS受信機が受信した信号を活用してRTK測位をすることで、誤差数センチメートルの高精度な測位がリアルタイムに可能になるという。なお、補正情報の生成やGNSS受信機への配信は、このサービスの提供にあたり同社とイネーブラーが共同で設立したALESが担う。
今後は、省電力・小型化が求められるインフラ監視用センサーやウェアラブルデバイスなどでも、誤差数センチメートルの位置情報を活用できるように、GNSS受信機がなくてもクラウド上でRTK測位ができるサービスも開発予定だという。
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