ワシントン大学は、スマートフォン以外に特別な機械を使うことなく、採血もせず簡単に貧血かどうか確認できるアプリ「HemaApp」を開発した。発展途上国での検査に活用できるとしている。
貧血は、栄養失調や寄生虫などさまざまな要因で発生する。貧血かどうか判断するには、針を血管に刺して採血し、血中ヘモグロビン濃度を調べるが、被験者に負担をかけるうえ、医療従事者でないと検査できない。針を使わず検査できる装置は存在するものの、極めて高価だそうだ。
ワシントン大学の開発したアプリは、スマートフォンのカメラとフラッシュを使う。指をカメラのレンズ部に押しつけると、フラッシュが点灯し、血液の色を調べることでヘモグロビン濃度を推定し、貧血かどうか判定する。
被験者の全血球計算(Complete Blood Count:CBC)検査結果と比較したところ、精度は69%だった。スマートフォンのフラッシュだけでなく、白熱電球の光を加えると74%に、小型LEDライトの光を加えると82%に精度が向上した。これは、米食品医薬品局(FDA)から承認されている針を使わない高価な計測装置「Masimo Pronto」の精度81%と変わらない。
ただし、HemaAppは採血検査を置き換えるものでなく、あくまでも予備的な検査方法だという。今のところ、採血がもっとも正確にヘモグロビン濃度を調べられる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス