Appleの開発者イベントWWDC 2019迫る、注目点は?--Appleニュース一気読み

 5月20日~5月27日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。

 Appleは6月3日から開催する世界開発者会議WWDC 2019の基調講演への招待状を報道関係者に送付した。米国太平洋夏時間で6月3日午前10時(日本時間6月4日午前2時)から、基調講演が始まる。例年通りライブストリームも行われる予定だ。

米国太平洋夏時間で6月3日午前10時(日本時間6月4日午前2時)から、基調講演がスタート
米国太平洋夏時間で6月3日午前10時(日本時間6月4日午前2時)から、基調講演がスタート

 Appleは毎年、iPhone/iPad向けのiOS、Apple Watch向けのwatchOS、Apple TV向けtvOS、そしてMac向けmacOSの新版を発表し、秋の無償アップデートをアナウンスする。これに合わせて利用可能になる新しいインターフェースや機能、開発者が利用できるようになるAPIを披露し、開発競争がスタートすることになる。

 近年新たに盛りこまれて発展しているAPIに拡張現実アプリを開発できる「ARKit」がある。2017年のWWDCで初めて披露され「世界最大の拡張現実プラットホーム」であるとアピールした。その理由は、過去のデバイスを含めて幅広いiPhone・iPadで最新のOSが利用できた点だ。

 iOSはリリースしてから1年で、世界中で稼動する9割のデバイスに導入される。しかも5年前のデバイスでも、最新OSが動く点は、競合となるAndroidスマートフォンにはない魅力だ。ユーザーはより長く同じiPhoneを使い続けられるし、開発者は新機能を使ったアプリを作っても、世界中の人々に使ってもらえる。

 開発者がまずiPhoneアプリから開発する「iPhoneファースト」の戦略を採る動機にもなっており、 Appleが世界シェア15%弱の勢力でも、開発者の力を借りてプラットホームの優位性を保っている大きな理由とも言える。

 Appleはおそらく今年も最新のiOS 13を発表することになると思われるが、現在iOS 12がサポートしている2013年発売のiPhone 5sや、2014年発売のiPhone 6を引き続きサポートするのかは、iPhoneの販売を左右することもあり注目している。

アップル、WWDC 2019基調講演の招待状を報道関係者らに送付(5/23)

MacBook Pro刷新、8コアモデル登場

 Appleは2019年になって、発表会なしでの製品の刷新が続いている。3月末には3日連続で、iPad Air/mini、iMac、AirPodsを刷新した。5月末の刷新はMacBook Pro 13インチ・15インチの両モデルの刷新となった。

 今回はプロセッサが第8世代、第9世代へと発展し、とくに15インチモデルでは8コア2.4GHz Intel Core i9モデルをラインアップし、Turbo Boost使用時で最大5GHzに達する。

 またより多くのユーザーにとって関心が高かったキーボードについては、引き続き浅いストロークのバタフライキーが採用されるが、素材を変更したことで信頼性が高まったとしている。文字の反復入力ははね返りが弱いといった問題が起きにくくなっており、無償での交換プログラムの拡大や修理の迅速化も行われると言う。

MacBook Proに初の8コアCPUモデルが登場--13、15インチ共にCPUを刷新(5/22)
アップル、「MacBook」キーボード修理プログラムを拡大--新素材で改良(5/22)

HuaweiとApple

 5月は米中貿易戦争をにらみ、テクノロジー業界では米国政府によるHuawei制裁と包囲網の狭まりが顕著となっている。

 米国政府が許可のない取引を禁じたことから、Intel、Boradcom、Qualcommといった企業がHuaweiとの取引を停止。日本のPanasonicもこれに賛同したほか、英国企業でスマートフォンの心臓部となるプロセッサ設計を担うARMまで、Huaweiとの取引をやめている。

 またAndroidスマートフォンのOSを開発するGoogleも、Huaweiとの取引をやめる決定を下したことは、Googleにとって大きな決断だったと思われる。Huaweiは今後、Googleがライセンスを持つソフトウェアの利用やサポートを受けられなくなる。

 日本市場では、大手キャリアがHuawei製品の出荷・予約延期を決定。Amazon.co.jpでも直販が止まった。

 Googleは検索などの主力事業を中国国内で展開していないものの、主要Androidメーカーは中国に集中し、また2017年には北京にAI研究所を開設するなど、その関係の糸口をいくつも準備している状況だった。そのため「安全保障上の問題」を大儀とするHuawei制裁で、Googleが厳しい立場に置かれていた。

 Huawei包囲網が狭まる中、中国は「米国の暴走」を世界にアピールするため、貿易上の取引に制限をかける形での対抗措置を躊躇するとの見方もあるが、例えば9月近辺に、米国向けの輸出に制限をかけることになれば、Appleの新型iPhoneの流通に影響が出る。

 トランプ政権は90日間の猶予を与えているようにも見えるが、実は中国にとっても、米国のテック株を崩壊させるカードを握っているとみた方が良さそうだ。

「HUAWEI P30 Pro」「iPhone XS Max」カメラ撮り比べ--暗所やポートレートも(5/22)
グーグルの中国問題はファーウェイだけではない(5/25)

その他

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クアルコムは独禁法違反--米連邦地裁がライセンス契約の再交渉など命じる (5/23)

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