カーネギーメロン大学(CMU)と早稲田大学、東京大学、IBMの研究チームは、空港や駅といった混雑する場所で視覚障がい者の単独移動を支援する技術として、移動先に立つ人の存在を警告してくれるスマートスーツケース「BBeep」と、Bluetoothビーコンで道案内するスマートフォン用アプリ「NavCog」の可能性を、ピッツバーグ国際空港で検証した。
BBeepは、カメラで撮影した映像から進行方向に立っている人を発見し、ブザーで存在を知らせるキャスター付きスーツケース(トロリーバッグ)。このブザーは、BBeepを押している視覚障がい者に歩行者がいることを教えるだけでなく、歩行者にも目の見えない人が近づいていることを通知して道を譲ってもらえる。
NavCogは、IBMフェローの浅川智恵子氏らが開発した、視覚障がい者向けのナビゲーションアプリ。各所に設置されたBluetoothビーコンの情報を利用して、目的地までの道案内を音声などで実行する。
研究チームはピッツバーグ国際空港にNavCog用ビーコンを設置し、BBeepとNavCogの実用性をそれぞれ検証。視覚障がい者が1人で混雑した場所を歩いて移動する際の助けになると確認できた。
BBeepの紹介ビデオ(出典:CMU/YouTube)
なお、自身も視覚障がい者である浅川氏は、以前から目の不自由な人々の行動を手助けする技術の開発に取り組んでいる。そして、同氏の研究チームが開発した視覚障がい者向けウェブページ読み上げ技術「Home Page Reader(HPR)」が評価され、非営利団体の全米発明家殿堂(National Inventors Hall of Fame:NIHF)から殿堂入り対象者に選ばれた。
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