NTTドコモと京都府は5月27日、スマートシティづくりのための連携・協力に関する協定を締結。同日には、京都府の西脇隆俊知事とドコモの吉澤和弘代表社長が協定書に署名する調印式が開かれた。
ドコモは2017年に策定した中期戦略2020「beyond宣言」に基づく地域支援活動に力を入れており、自治体との連携協定は関西では大阪府や神戸市などに続いて5事例目、全国では19事例目となる。
今回、京都府と締結した連携・協力事項は以下の5つ。
両者はIoTを活用した養殖や観光地の8Kライブ映像を5Gで電送する実証実験などを行ってきたが、今後新たに、けいはんな地区で5Gを利用した実証実験などをする。地区内にある「けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)」で遠隔操作ロボットの開発に応用したり、地区内でスマートモビリティなど自動運転の実証実験をしたりする予定。会見で西脇知事は「ドコモの幅広い技術とノウハウを社会貢献につなげ、心の豊かさを含む快適な都市づくりを進めたい」と述べた。
ドコモの吉澤社長も「けいはんな学研都市の屋内外で5G環境を構築し、新たなイノベーションを支援する」とコメント。そのほかの地域では、農林水産省が推進するスマート農業を加速させ、先日発表されたd払いなどを含むキャッシュレス化の推進や、JTBと連携した情報発信なども活用し「誰もが幸せに暮らせるスマートシティの実現を目指したい」と述べた。
同日に国立京都国際会館アネックスホールで開催された「地域創生セミナー in 京都」では、地方創生に関連した様々な技術やサービスも展示された。パートナーのKICKは、4月にオープンした「けいはんなロボット技術センター」で次世代ロボットやドローンの研究開発や実験ができる屋内スペースを有料で企業に貸し出し、マッチングをはじめとするビジネス支援をしていくと説明。オムロンは自動運転システムと連携する信号機を展示していたほか、ドコモは秋に販売予定の新型キャッシュレス端末機を紹介していた。
西陣に町屋風の次世代ロボット研究所を運営するテムザックは、超小型スマートモビリティロボットの「RODEM(ロデム)」の試乗を実施。セミナーで登壇した同社代表取締役CEOの高本陽一氏は、「ロボットと通信は不可欠な関係にある」と語り、積水ハウスと共同開発中のバディで動く建築施工ロボットや、コミュニケーションロボットなどを紹介した。
セミナーの最後にドコモ関西支社長の高原幸一氏は、「京都の社会課題に対し同社の技術やサービス、システムがどう役立てられるか、様々な意見を聞きながら議論を交わし、人を主役に考えていきたい」と話し、市内だけでなく幅広い地域で多くの企業やパートナーと連携してきたいとコメントした。
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