半導体設計企業のARMも、Trump米政権の禁輸措置に従って華為技術(ファーウェイ)との取引を停止するという。
もっとも、旧製品のサポートは続行する予定で、ファーウェイはこれまでに締結済みのライセンス契約に基づいて、今後数年にわたってARMベースのチップを独自に構築することが可能になる見込みだ。禁輸措置が長期化しない限り、ファーウェイが多大な影響を受ける可能性は低いとみられる。
Appleやサムスン、ファーウェイ製のスマートフォンを始めとするモバイルデバイスやウェアラブル端末ではARMが設計したチップが高いシェアを誇っている。同社はソフトバンクグループに、約240億ポンド(約3.3兆円)で買収された。
各社は、チップ設計の中核をなすARMの技術のライセンス供与を受けている。Qualcommの「Snapdragon」シリーズ、サムスンの「Exynos」チップ、Appleの「A」シリーズプロセッサ、ファーウェイ傘下のHiSiliconの半導体のすべてが、ARMのチップアーキテクチャに基づいている。ARMの技術が利用できないとなれば、技術的設計を独自に行わなければならず、高いコストと困難が伴う。
ARMは、米国に本社を置いていないが、ハイエンドプロセッサの研究開発のほとんどを米国で行っている。米国で生み出された知的財産はすべて、Trump政権による禁輸措置の対象となるため、ARMもこの措置に従わなければならない。同社は声明で、「米政府が定めるすべての最新規制に従っている」と述べていた。
その後同社は、「確実に規制に準拠するために、該当する米政府機関と継続的に会話している。ARMは、長期にわたるパートナーであるHiSiliconとの関係を重んじており、本件が迅速に解決されることを望んでいる」と付け加えた。
一方、ファーウェイは声明で、「当社パートナーとの密接な関係」を尊重しているが、「政治的動機に基づく判断の結果、その一部が受ける圧力を受けていると認識している。この残念な状況を解決できると確信しており、われわれの優先事項はこれまでどおり、世界クラスの技術と製品を世界中の顧客に提供し続けることである」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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