Facebookは、米国で働く何千人もの契約社員の最低時給を引き上げることを計画している。現在の最低賃金の15ドル(約1600円)が、同社のオフィスがある多くの場所で上昇する生活費に見合っていないことを受けてのことだという。
「時給15ドルでは、当社が稼働する複数の場所での生活費に見合わないことがわかった」と、同社はブログ投稿で述べた。現在の最低賃金が設定されたのは2015年だという。
サンフランシスコ・ベイエリア、ニューヨーク、ワシントンDCの契約社員の最低時給は20ドル(約2200円)、シアトルの契約社員は18ドル(約2000円)に引き上げられる。コンテンツをチェックするモデレーターの最低賃金はこれよりも高く、サンフランシスコ・ベイエリア、ニューヨーク、ワシントンDCの契約社員の最低賃金は22ドル(約2400円)、シアトルで同業務を行う契約社員は20ドル(約2200円)、米国の他の大都市圏の契約社員は18ドル(約2000円)になる。
ソーシャルネットワーク上の暴力的な画像などを精査するコンテンツモデレーターは、同社で重要な役割を担っている。約1万5000人のコンテンツモデレーターを擁するFacebookは、コンテンツのモデレーションをCognizant やAccenture、Genpactなどの人材派遣会社にアウトソーシングしている。
今回の最低賃金の引き上げは、一部のコンテンツモデレーターによるFacebookへの批判が巻き起こる中で発表された。同社はコンテンツモデレーターに健全な労働環境を提供することを怠り、カリフォルニア州法に違反したとされている。作業者らは訴訟で、Facebook上でライブ配信された殺人や自殺、斬首を見たことにより心理的トラウマやPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状を患うことになったと証言している。
この引き上げは2020年の半ばまでに行われ、他の国でも同様の基準の策定に取り組むとFacebookは述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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