孫氏はまた、今回の決算に合わせる形で同社の今後のビジョンについても説明。現在、世界時価総額の上位10社のうち7社がインターネット企業だが、それらの企業が革新をもたらしたのは広告と小売りの分野に過ぎず、それは米国のGDPでいうと7%程度に過ぎないと指摘。しかしAIは、それらも含むあらゆる分野の業界に革新をもたらすことから、より大きな成長が見込めるとし、そのために必要なIoTや5Gなどの技術拡大を進めていくと話した。
さらに、インターネット業界の時価総額の伸びは、トラフィックの伸びと相関関係があるとし、25年間に1000倍の成長を遂げたと説明。しかもインターネットのトラフィックは今後、従来のように蓄積されたデータを検索するものから、AIが推測するというインテリジェンスなものに変化する形で、二次曲線的に伸びていくと説明。ソフトバンクグループはAIへの投資に集中することで、トラフィックの伸びとともに成長を遂げ、株主価値を高めていきたいと思いを語った。
なお、ソフトバンクグループの決算が発表される前日の5月8日には、傘下のソフトバンクが、同じく傘下のヤフーを子会社化することを発表している。その経緯について孫氏は、ソフトバンク代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮内謙氏から直接子会社化の打診があり、最初は「気持ちは分かるが『孫が資金繰りのために(子会社化を)仕組んだんじゃないか』と言われるかもしれないから、嫌だなあ」と答えたというが、宮内氏らの熱意を受ける形で同意するに至ったとのことだ。
また孫氏は、ソフトバンクとヤフーがより連携を強化する上では合併も「ありだと思う」とも回答。連携の形は今後の進展を見ながら、ソフトバンクとヤフーの経営陣が話し合って判断していくことだとし、具体的な連携の方策は両社に任せる考えを示した。
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