スマートフォンユーザーのほとんどが、以下のような体験をしているはずだ。アプリからユーザーの位置情報を要求するポップアップが表示されるが、なぜ必要なのかまったくわからない。おそらくアプリ側に正当な理由があるのだろうと推測し、不安であるが「許可」をクリックする。あるいは、「拒否」をクリックして、このアプリが今後、きちんと機能を果たしてくれるのかと不安になる、といった具合だ。
そこでGoogleでは、アプリの開発者に対し、求める位置情報を必要なものだけに限り、なおかつユーザーにわかりやすい形で尋ねるよう求めることにした。Googleは米国時間5月8日、年次開発者会議「Google I/O」で行った2つのプレゼンテーションのそれぞれで、位置情報の要求に加えられる変更について説明した。
「ユーザーが目的を理解し、許可することが理にかなっていると考えた場合は、アプリに許可を与える可能性が高くなる」と、Googleの製品マネージャ―を務めるCharmaine D'Silva氏はアプリ開発者に向けた話の中で述べた。
これはGoogleの次期モバイルOS「Android Q」に数多く盛り込まれるプライバシーに配慮したアップデートの1つだ。ほかにも、「Google マップ」の「Incognito」モードや、定期的にユーザーの検索履歴と位置情報履歴を自動的に削除するオプションなどが新たに追加される。Incognitoモードを起動した場合、マップ内での検索履歴がユーザーのGoogleアカウントに保存されなくなる。
また、Android Qでは、アプリがユーザーに位置情報の使用許可を求める際に、「常時」あるいは「アプリ使用中のみ」という2つの選択肢を設けることが義務づけられる。これは「Uber」のようなアプリが、スマートフォンを使っていない時でもユーザーの動きをすべて追跡しているのではないかという懸念に配慮した措置だ。
どちらのプレゼンテーションでも、Googleの担当者はアプリ開発者に対し、位置情報を使用する際のベストプラクティスや勧告を繰り返し説明した。特に強調されていたのは、使用する位置情報をできるだけ少なくすることと、なぜその情報が必要なのか明確にした時点でユーザーに位置情報へのアクセス許可を促すこと、という2点だった。
こうしたGoogle側の方針により、開発者側では修正が必要となる。ユーザーに対しては今後、引き続きバックグラウンドでアプリに位置情報を知らせるかどうか確認するプロンプトが表示される。そのため、アプリ開発者は一部のユーザーが位置情報へのアクセスを拒否した場合について、準備しておく必要がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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