ソニーが、過去最高益となった。4月26日に発表された2019年3月期通期(2018年4月〜2019年3月)の連結業績は、売上高が前年比1%増の8兆6657億円、営業利益が同22%増の8942億円、税引前利益は同45%増の1兆116億円、当期純利益は同87%増の9163億円となった。ゲーム分野のソフトウェア増収や「プレイステーション プラス」の加入者増などが、増収増益に寄与した。
好調に推移したゲーム&ネットワークサービス分野は、「PS4」ハードウェアは減収になったが、ゲームソフトウェアの増収や有料会員サービスのプレイステーション プラスの加入者増などを受け、売上高は前年比19%増の2兆3109億円、営業利益は前年の1775億円から1336億円増加し、3111億円となった。
同じく、大幅増益となった音楽分野は、売上高は8075億円と前年度並みだったが、営業利益が前年の1278億円から、1047億円増加し、2325億円へと大幅増益となった。これはEMIの連結子会社化による再評価益を得たためとしている。
このほか、劇場興行収入が減少した映画分野、規模を追わない戦略により、テレビが数量減となったホームエンタテインメント&サウンド分野は減収増益。イメージング・プロダクツ&ソリューション分野は、ミラーレス一眼カメラや交換レンズ群など高付加価値モデルへのシフトが進み増収増益、半導体分野はモバイル機器向けイメージセンサーが大幅増収になったものの、研究開発費と減価償却費の増加により、増収減益。金融分野は、ソニー生命の保険料収入が増加したが、前年度に投資目的における不動産の売却益と、投資有価証券の評価損を計上していたため、減益となった。
厳しい状況が続くモバイル・コミュニケーション分野は、売上高が前年度の7237億円から、2257億円減収となり、4980億円、営業利益は同276億円の赤字から、赤字幅を拡大し、971億円の赤字となった。
スマートフォンの販売台数が大幅減少していることが、大きな要因となっているが、ソニー 専務CFOの十時裕樹氏は「2020年度の黒字化に向け、オペレーションコストを2017年度比で50%削減する計画を進めているが、前倒しで進んでいる部分もあり、2020年の黒字化は達成可能」とコメントした。
2020年3月期の通期業績見通しは、売上高が前年度比2%増の8兆8000億円、営業利益が同9%減の8100億円、税引前利益が同24%減の7700億円、当期純利益が同45%減の5000億円。
ソニーでは4月1日の組織変更にともない、セグメント区分を変更。ホームエンタテインメント&サウンド分野、イメージング・プロダクツ&ソリューション分野、モバイル・コミュニケーション分野をあわせ、エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野としている。
半導体、映画、金融、音楽分野は増収を見込むが、エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野は、引き続きスマートフォンの販売台数減により、減収になると予測。営業利益は、エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューションと映画分野などで増益となるが、音楽分野は前年度にEMIの連結子会社化による再評価益を計上したことにより、減益を見込むとしている。
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