現世代のFSDハードウェアは約2年前に完成しており、Musk氏によると、次世代のハードウェアは2年後にリリースされる予定だという。次世代のFSDハードウェアは現世代の約3倍の性能を備えるとMusk氏は予想している。現在製造されているすべての新しいTesla車には、このFSDコンピューターハードウェアが標準で装備され、多くの旧式の自動車にも、少しの手間でこのハードウェアを後付けすることが可能だという。
現在、Teslaの自動車で提供されている同社の「Navigate On Autopilot」ハードウェアは、完全に自動で車線を変更したり、高速道路のインターチェンジの入り口から出口までを誘導したりできる機能をすでに備えている。だが、このシステムに対して批判的な人もいる。大きな注目を集めた事故も数件起きており、同テクノロジーの構造上の盲点が原因と考える人もいた。そうした事件があったとはいえ、Autopilotがほかの自動車メーカーの現行の競合システムよりも多くの環境で、より多くの機能を提供していることは否定できない事実だ(ほかの自動車メーカーの多くは安全上の理由から、新機能の展開に関してTeslaよりも慎重になっている)。
Teslaが自社の自動運転技術を進歩させるために利用している主な原動力の1つが、同社のニューラルネットワークである。Teslaのニューラルネットワークは、実際に走行しているTesla車から画像や動画を取り込み、人間による注釈と行動予測を組み合わせて、効率的かつ正確に道路の状況を把握する方法を学習する。さらに、車体のレーダーセンサーの力を借りて、物体の深度と距離を判断するので、ステレオカメラ機構を使用する必要がない。Teslaによると、同社は「Hardware 2.0」を搭載する42万5000台以上の自動車を路上に配備しており、それらの自動車がニューラルネットワークの訓練に使用されるデータをアップロードしているという。
TeslaのAI部門を統括するAndrej Karpathy氏も、LiDARが無駄な補助的技術であるというMusk氏の主張について語った。Karpathy氏は、Teslaのシステムがコンピュータービジョンを使用するのは、世界の道路が視覚を前提として作られており、ニューラルネットワークを使用して画像を読み取ることで、特定の物体について、LiDARよりもはるかに多くの情報を得られるからだ、と説明した。
Musk氏はプレゼンテーションの中で、「LiDARに頼っている人に先はない」とほのめかした。
Autonomy Investor Dayでは、自動運転技術が中心的な話題だったが、「Model Y」や「Semi」といった未来の製品に関しても、Musk氏やほかのTesla関係者からさまざまな情報が明かされた。特に興味深かったのは、Musk氏がバッテリーを再設計して、約100万マイル(約161万km)の走行に耐えられるようにする計画に言及したことだ。現在のバッテリーパックは、30万マイル(約48万km)~50万マイル(約80万km)の走行で交換が必要になると想定されている。
Teslaが計画しているロボタクシーネットワークについても、新しい情報が発表された。技術的な要件以外に、Teslaがリース契約の終わった自動車についても、すでに計画を立てていることが明らかになった。Model 3をリースした人が契約終了時にその自動車を購入することはできない。Teslaが返却を望んでいるからだ。こうすることで、自家用車をシェアすることを望む所有者が不足している地域に、同社が将来のロボタクシーサービスのための常備タクシーを配備できるようになる。Musk氏は、2020年に100万台以上の無人ロボタクシーを路上に展開する計画だ。
Teslaの将来を楽観視している人、悲観視している人、Teslaを信じる人、不信感を抱いている人など、さまざまな人がいるはずだ。どのような考えを持っているにせよ、Autonomy Investor Dayは確かに、興味深い情報であふれていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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