「目は口ほどにものを言う」ため、お互いによく知った間柄であれば、言葉を交わさず目と目で通じ合うことが可能だ。ある程度の意志疎通であれば、視線を合わせただけでできてしまう。
これに対し、IBMは視線を合わせることでデータ交換するヘッドマウントディスプレイ(HMD)向け技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間3月21日に「EYE CONTACT-BASED INFORMATION TRANSFER」(公開特許番号「US 2019/0089769 A1」)として公開された。出願日は2018年11月16日。
この特許は、お互いにHMDを装着しているユーザーのあいだで、第1の装着者と第2の装着者が視線を合わせると、一方から他方へファイル送信する技術を説明したもの。HMDにはカメラとディスプレイがあり、視線を追尾する機能を備えている。2台のHMDが相互に視線トラッキングすることで、目を合わせているかどうか認識できる。
ファイル送信は、視線が合っているあいだだけ実行できる。また、視線が合ってファイル送信を開始したら、視線を外しても送信し続ける制御についても言及している。
ファイル送信を実行するHMDを相互認識する方法として、Bluetooth、NFC、無線LAN(Wi-Fi)を介して通信するアイデアにも触れている。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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