何年も繰り広げられてきたAppleとチップメーカーQualcommの係争が、ようやく終止符を打った。両社は米国時間4月16日、Appleの契約メーカーとの間のものも含めて、すべての訴訟を取り下げることで合意した。合意内容にはAppleからQualcommへの支払いも含まれるが、金額は公表されていない。また両社は、4月1日から6年間のライセンス契約に加えて、複数年のチップセット供給でも合意した。
両社は、2017年1月から特許訴訟を繰り広げていた。Appleは同月、Qualcommが自社のチップに対して不当なライセンス料を請求していること、また、契約に基づく約10億ドルの払い戻しが滞っていることを訴えて、訴訟を起こした。Appleは訴状の中で、Qualcommは「不正なライセンスモデル」を構築して過剰なロイヤルティを要求しているとも主張した。
それを受けてQualcommは同年7月、 米国際貿易委員会(ITC)に苦情を申し立て、一部の「iPhone」を含む複数の製品について、米国への輸入を禁止するよう求めた。苦情は、Qualcommとの訴訟が解決するまで契約メーカーにロイヤルティを支払わないとAppleが決断したことに関連しており、Appleのサプライヤーによる逆提訴へと発展した。この逆提訴は、米国の代表的な反トラスト法であるシャーマン法の2つの条項に違反しているとしてQualcommを訴えるものだった。
最終的にITCは、Qualcommの思惑どおり、「iPhone 7」や、ベースバンドプロセッサモデムなどのさまざまなデバイスコンポーネントの輸入が、1930年の関税法に違反しているかどうかの調査を開始するに至った。
2019年3月には、ITCが2件の審理に対する裁定を下した。ITCがQualcommによる特許侵害の訴えを退けたことで、AppleはiPhoneの輸入禁止を何とか免れることとなった。ITCは、バッテリ節約技術に関するQualcommの主張を無効とした。この数時間前にはITCの別の判事が、Appleによる他の特許1件の侵害を認定し、問題の部品を含むiPhoneを米国で販売禁止にするべきだとの判断を示したばかりだった。この特許は、コンピューティングデバイスの電源管理に関するものだった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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