ソフトバンクロボティクスは4月16日、会話機能を強化した人型ロボット「Pepper」のメジャーアップデートを発表した。見た目は従来モデルと同じだが、ソフトウェアに加えセンサやカメラなど内部を一部新しくしているという。
Pepperの法人向けサービス「Pepper for Biz」と家庭向けモデルの「Pepper for Home」ともに4月16日より予約受け付けを開始する。
料金は、Pepper for Biz 基本プラン(レンタル)が5万5000円×36カ月(合計198万円)。別途あんしん保証パック(9800円×36カ月)が必要になる。
Pepper for Homeの本体価格は19万8000円。Pepper for Home 基本プランとして2万7600円×36カ月の分割払い、または99万3600円の一括払いを選ぶ。別途ロボット手続き手数料(9800円)が必要になる。
Pepper(ペッパー)は、2014年6月に発表。2015年2月より開発者向けに発売し、6月より家庭向けにも販売を開始した。当時は販売した1000台が1分で完売するなどして話題になった。
発売から3年が過ぎ、今ではさまざまなシーンで活用されている。ソフトバンクロボティクス CTO 兼 プロダクト&サービス本部長の坂田大氏は「3年間の気づきをメジャーアップデートに込めて送り出したい。圧倒的に多いのは、Pepperともっと会話をしたいという要望。人に似た形をしているので、自然な会話をしたいという要望が多く、“会話力の向上”が約47%と半分を占める。基本的なコミュニケーションは、人を検知して、誰なのかを認識。しゃべってることを認識して会話につなげる。その一つ一つを磨いた」と説明した。
Pepper for Biz 3.0では、複数のクラウドAI活用により会話体験を刷新することでコミュニケーション力を向上させた。
従来モデルと比べて、話しかけに対する「自然応答率」は約7倍に向上し「会話キャッチボール数」も約7倍となり、より自然な会話を楽しめるという。
新たに構築したヒューマノイド用会話プラットフォームがポイントだ。3000以上の接客や受付、介護などの業務別会話シナリオを搭載したほか、日本マイクロソフトが提供するソーシャルAI(人工知能)「りんな」の技術を応用したAIマーケティングソリューション「Rinna Character Platform」とGoogleが提供する、自然言語に対応した会話型エージェントを開発できる開発プラットフォーム「Dialogflow Enterprise Edition」を活用したもの。
さらに、個別の会話シナリオを自由に登録し、客から頻繁に受ける質問に対してスムーズに回答できるようになる。また基本アプリとして提供する「ビデオ通話」により、遠隔でもコミュニケーションが可能になる。
顔認識機能を標準搭載しているため、性別、年代に加え個人を識別。お薦めの商品を紹介するだけでなく、同日中に同じ商品を紹介しないなど、その人に合った対応が可能になる。
このほか、管理プラットフォームの利便性を向上させ、会話ログから会話内容の分析が可能となるほか、遠隔で統合管理ができる機能を強化している。
Pepper for Homeは、Pepperの胸のディスプレイがAndroid搭載となっており、Pepper for Homeで楽しめるロボアプリも用意されている。併せて「乗換案内 for Pepper」(提供:ナビタイムジャパン)や「映画DB for Pepper」(提供:キネマ旬報社)、家族のうち誰の栄養バランスが一番良いかPepperが判定する「カロミルfor Pepper」(提供:ライフログテクノロジー)、学習リモコンの「iRemocon for Pepper」(提供:グラモ)などを発表。随時ロボアプリを増やすとしている。
また、Pepperの胸のディスプレイに表示される画面デザインを刷新し、ユーザーが直感的に使いやすいデザインに変更。会話などをしていない状態でも、時計やニュース、天気などの生活シーンで必要な情報を胸のディスプレイに表示できる。
Pepper for Biz 3.0と同様に、Pepper for Homeでもヒューマノイド用会話プラットフォームを使用。従来は応対が難しかった会話内容に対する返答の正確性を向上し、Pepperとのスムーズな会話がより長く楽しめるようになったとしている。
また、「Hi, Pepper(ハイ、ペッパー)」と呼び掛けると、Pepperとの会話を始めることができるようになり、従来と比べてPepperとの会話がしやすくなった。
発売に合わせて、Pepper for Homeで楽しめるロボアプリを用意。ロボアプリは今後も充実させていく予定だ。なお、Pepper for Homeのロボアプリは、専用のソフトウエア開発キット(SDK)「Pepper SDK for Android Studio」(無料)で開発できる。
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