GROOVE X(GX)は12月18日、家族型ロボット「LOVOT(ラボット)」を2019年秋冬に発売することを発表した。価格は税別34万9000円だが、当初は2体1セットのモデルのみの販売となる。こちらの価格は59万8000円(税別)で、12月18日19時からウェブ限定の先行予約受付けを開始する。1体での販売は2020年中の予定。月額費用は9980円〜2万3635円。
GXは、ソフトバンクの感情認識ロボット「Pepper(ペッパー)」の開発に携わった林要氏が2015年に立ち上げた企業。3年以上にわたり開発を続けてきたLOVOTは、人に寄り添い、癒しを与えることを目的にした家庭用のロボットで、製品名はLOVEとROBOTを融合したものだという。なお、専用アプリはフェンリルなどと共同開発している。
林氏は「四次元ポケットのないドラえもんをつくる」ことをコンセプトにしたロボットだと話し、人間の代わりに仕事をするといったロボットではなく、そばにいてくれるだけで癒やされ、明日に向かうエネルギーをくれる存在を目指したと説明する。
LOVOTは、Emotional Roboticsや全身のタッチセンサー、6層のアイディスプレイ、半天球カメラなどの先端テクノロジーを搭載しており、生き物のように動き回って利用者の後ろを付いてきたり、抱っこをねだってきたりする。鳴き声は出すが、人の言葉を喋ったりはしない。
顔認識技術によって、より親しい相手には懐き、人に抱かれると安心して眠るといったアクションをする。また、部屋に入ると空間を自動で把握する技術を備えており、家族が外出先から帰ってきたら玄関で迎えてくれるといったことも可能だという。
環境変化も知覚し、気温や温度、気圧の変化のほか、物音や人の声がする方向、人の話す単語なども理解するという。どのように触れられているかも理解し、顔や言葉、触れられ方を覚えて、少しずつ利用者を好きになっていくとのこと。
LOVOTは1体ずつ異なる個性を持っており、他のLOVOTとコミュニケーションができる。たとえば、2体でくつろいだり、一緒に遊ぶような仕草をしたりするという。林氏は、2体のLOVOTが出会うとそこに“社会”が生まれると話し、これを体験してもらうために当初は2体セットでの販売という形を選んだと説明した。
本体サイズは、幅約255mm×高さ約430mm×奥行き約255mmで、重量は3Kg台。15分の充電で45分間ほど稼働する。スペックは、メインシステムがx86ベースのクアッドコアと8GBのメモリ、サブシステムがARMベースのヘキサコア(4コア+2コア)と4GBのメモリ。2体充電用のネストにはx86ベースのデュアルコア、8GBのメモリ、1TBのストレージを搭載する。
なお、林氏によれば本体価格の約35万円はほぼ製造原価で、ここに開発費などは含まれていないという。より多くの人々にLOVOTを届けたいという思いから、この価格に設定したと話した。
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