スタートバーンとSBIアートオークションは4月9日、美術品オークション市場の活性化を目指し、ブロックチェーン技術を応用したアート作品に関する所有権の証明などの共同プロジェクトを、4月のセールより順次開始すると発表した。
同プロジェクトでは、スタートバーンが運営するブロックチェーン証明書発行サービス「startbahn.org」内にSBIアートオークション主催のセール「Modern and Contemporary Art」と連動したコンテンツを展開。セールに出品される500点超・総額4.5億円の作品を紹介すると共に、落札した希望者にブロックチェーンの証明書を付与する。
ブロックチェーン証明書には、タイトル、サイズ、技法といった作品情報のほか、所有履歴情報や修復履歴、著名美術館やギャラリーに展示された履歴、オークションでの出品履歴などさまざまな情報を記録。こうした情報を第三者が改ざんしづらいため、アート作品の所有権や真贋の証明書が偽造されるリスクが飛躍的に低くなるという。また、従来型の紙の証明書と違って紛失の心配も無く、信頼度の高い証明書として半永久的に次世代に引き継ぐことが可能とする。
これにより、コレクターは贋作を購入するリスクが低くなり、万が一作品が盗難にあった場合も、ブロックチェーン上に記録された情報によって転売時に持ち主の相違が発見しやすくなる。また、スタートバーンが運営するブロックチェーン証明書発行サービスは、国内外の他のブロックチェーンネットワークとの互換性があるため、より美術品を安心して購入できるという。
同ブロックチェーンネットワークを利用することで、将来的にはアーティストへ著作権等の権利金の還元、作品の照会や管理などを実現。さらに両社は、ブロックチェーン技術を応用したアートに関するビジネス領域において協業態勢を構築。希少性の高い良質な美術品を次世代につなぐ取り組みを共同で展開するという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス