同日の記者発表会で登壇した、週刊少年ジャンプ編集長の中野博之氏は、「私は楽しそうだからやっちゃえと思ったが、同時に本当に実現するんだろうか、マガジンに断られちゃうんじゃないかと思っていた。それぞれ50年以上やってきており、先生方の協力も必要なのでさまざまなハードルがあったが、それを乗り越えられたのはスタッフの皆さまの情熱のおかげだと思う」と、史上初のタッグへの思いを語る。
これに対して、週刊少年マガジン編集長の栗田宏俊氏は、「僕の感想は一言で『マジか』と。入社から25年経つが、打倒週刊少年ジャンプでずっと仕事をしてきたので、言ってみれば最大のライバルというか宿敵みたいな感じ。「ジャンプ側は本気で言ってるの?」とずっと半信半疑だったし、どこかで(関係が)壊れてしまうんじゃないかということも考えたが、意外と順調に進んだ」と心境を明かした。
マンガアプリ「少年ジャンプ+」を担当する細野修平氏は、「いまはモバイルの普及により、ゲーム、SNS、動画メディアなどのプラットフォームでコンテンツを楽しめる時代。少年誌のメイン読者である若者の皆さんに、マンガの魅力をどのように伝えるか、どんな楽しみ方があるかを両者は試行錯誤してきた」と語り、今回のタッグは、両者でデジタル活用に関する情報交換を定期的にする中で実現したと背景を説明する。
マンガアプリ「マガジンポケット」を担当する橋本脩氏は、「より多くの若者にマンガの魅力を知っていただく。その思いを力に二誌がタッグを組んだ。少年漫画のようにライバルとの“共闘”をモチーフに、『ともに。』というキャッチフレーズに我々の熱い思いを込めている」と語った。
なお、今回のプロジェクトは、「漫画村」をはじめとする海賊版サイトを意識したものかという質問が飛んだが、あくまでも若者にマンガの魅力を知ってもらうための取り組みだとしてこれを否定。また、音楽や動画のように、より多くのマンガ雑誌を巻き込んだ月額制(サブスクリプションモデル)での“マンガ読み放題サービス”の可能性についても聞かれたが、「特に予定していることはない」(細野氏)とした。
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