後半では、藤岡さんがせがた三四郎をほうふつとさせる柔道着をまとって登場。「22年の時を超えて、宇宙よりせがた三四郎戻ってまいりました!」というと、大きな歓声に包まれていた。その後、博報堂のクリエイティブディレクターとして、一連のせがた三四郎CMを担当した安藤宏治氏から寄せられたメッセージとあわせて、当時のエピソードが語られていった。
せがた三四郎のオファーを受けたときのエピソードとして、藤岡さんは博報堂側から絵コンテを見せられた際に、そこで描かれていたせがた三四郎が藤岡さんにそっくりだったという。そして「もう、あなたしか考えていない」というほど熱烈なオファーだったことや、コンテで描かれていたせがた三四郎の真剣な姿に惹かれ、快諾したと振り返る。
せがた三四郎のCMは、1年足らずの期間に計19本を制作。どれもインパクトのあるものとなっていたが、なかでも梅田氏が挙げていたのは、初期に放送された、道行く野球少年やクラブで遊んでいる若者をいきなり投げ飛ばし「セガサターン、シロ!」と一喝する内容のもの。藤岡さんは気になるところもあったとしたが、自身が親から厳しい武道教育を受けた経験から「真剣に愛を持ってやればわかってくれるのでは」と、ある意味“賭け”でもあったが、昔ながらの親心を持って取り組んだと話した。
以降も当時のCM収録エピソードが語られていった。巨大なセガサターンを背負って砂利道を裸足で歩く「修行編」について、安藤氏からのメッセージによれば、その重さは40kg、担いだときのバランスを考慮した造りではなかったため、体感では80kg以上と思えるようなものであったと明かす。さらにコントロールパッドを拳で連打する場面では、収録後血だらけになるほどで、早送りのないフルコンタクトでの正拳突きは、本物の武道家だからこそできたものとコメントした。
藤岡さんも、巨大なセガサターンは発泡スチロールのような軽いものかと思っていたら木製だったとのことで、驚いたと振り返る。そして、裸足だったため小石が針のように足の裏を突き刺す感じだったとも話した。それゆえ、CMでの険しい表情は演技ではなくリアルだったと明かした。
「ボンバー編」では、採掘場での爆破シーンを収録。爆発を背に悠然と歩くせがた三四郎の姿に、安藤氏は「まさにヒーローだと心打たれた」とコメントを寄せていたが、当の藤岡さんは、想像以上の爆風が背中を襲ったとのことで、いい思い出としつつも大変だったと語った。
ほかにも、「氷上決戦編」ではスケートリンクを素足で走ることに挑戦。転ばないようにバランスをとりながら走ることも容易ではなく、さらに足が凍えて感覚がなくなるような状態にもなったという。そしてCMのオチにはストーブの前で足の裏を温めているシーンもあるが、リアルなものだと話した。また安藤氏によれば、この日は火災現場に飛び込むという「バーニングレンジャー」のCM収録もあり、「炎地獄と氷地獄を一日で味あわせてしまった」とコメントした。
聞くだけで壮絶で過酷さが伝わるCM収録だったが、バッティングセンターの球をけってホームランボードに当てる「せがた打法編」では、安藤氏から、穏やかな天候に恵まれたロケだったこともあり、藤岡さんが笑顔で「暖かいね」といったのを見て、満面の笑みを映し出したものにしたという。藤岡さんも、内容が奇想天外の発想だったことから、自然な笑顔を出せたと振り返った。
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