せがた三四郎復活、セガールとアンソニーなどのCM秘話--セガサターン25周年大感謝祭 - (page 2)

「バーチャファイター2」「ナイツ」「サクラ大戦」と大型タイトルがリリース

 1995年に話題は進み、当時アーケードでは大ヒットとなっていた「バーチャファイター2」の移植作が12月に発売。AM2研の広報としてプロモーションに携わっていた梅田氏は「本当に(移植)できるのか、作れるのかと、誰もが思っていた。セガ社員でも心配していた」と振り返る。それでも無事に発売され、セガとしては初めてのミリオンタイトルになったと語った。ほかにも「バーチャコップ」「セガラリーチャンピオンシップ」なども発売され、竹崎氏は「1995年末は大きな手ごたえを感じていた。ここで勝負をして勝つぐらいのつもりで準備していた」と話す。それは奏功した一方で、本体の在庫切れにより店頭からなくなってしまい、チャンスロスになってしまったとも語っていた。

「バーチャファイター2」
「バーチャファイター2」
「脳天直撃」のキャッチコピーを使っていたのもこの時期
「脳天直撃」のキャッチコピーを使っていたのもこの時期

 1996年には、価格が2万円になりホワイトカラーとなったセガサターンが発売。ソフトも「Jリーグプロサッカークラブをつくろう!」(サカつく)や「NiGHTS into dreams...」(ナイツ)、「サクラ大戦」なども発売された。

1996年と1997年の年表
1996年と1997年の年表

 ナイツについて岡村氏は、アナログ操作ができるマルチコントローラーで、ナイツの浮遊感を体験することができたこと、また竹崎氏は今でも根強い人気のあるテーマ曲「DreamsDreams」について、映画と変わらないような大作感をこの曲で伝えたかったと振り返りつつ、今でもよく聴いていることを話した。

「NiGHTS into dreams...」
「NiGHTS into dreams...」
“マルコン”と呼ばれたマルチコントローラー
“マルコン”と呼ばれたマルチコントローラー

 サクラ大戦について竹崎氏は、当時落ち着いて遊べるRPG系のタイトルが弱いといわれていたなかで、セガとしての答えを出そうと取り組んでいたと振り返る。プロモーションのなかで、最初はメディアの反応も鈍かったとしたが、徐々に期待度もあがり、最終的にはセガを代表するIPとなった。

 また竹崎氏は、サクラ大戦の特徴でもあった「舞台」についても言及。キャスト自らキャラクターの衣装をまとい、「歌謡ショウ」と題したミュージカル風ステージを実施していた。竹崎氏は、今でこそ“2.5次元舞台”として多く展開されている部分もあるものの、当時はゲームやアニメから舞台にすることはあまり考えられていなかったと話し、原作者である広井王子氏が、初期段階から舞台をやりたいと希望していたこと、そしてキャスト自ら舞台に立ってお芝居をするビジョンを持っていたことが成功につながったとし、2.5次元舞台のはしり的な存在になったのではと語った。

「サクラ大戦」
「サクラ大戦」

 この年代でもうひとつ話題に挙がったのは、飯野賢治氏(故人)率いるワープがセガサターンに電撃参入し「エネミー・ゼロ」を発売したこと。当初競合ゲーム機向けに発売する予定であったが、そのメーカーが主催するイベントでセガサターンへの移籍を発表したことで大きな話題となった。

 今ほどマルチプラットフォーム展開が当たり前ではなく、どの陣営に付くか、プラットフォームでリリースするかも注目されていた時代だっただけに、登壇者が口をそろえて「当時すごかった」「今を思うとありえない」と一言。そんな飯野氏について加藤氏は、例えば限定版を飯野氏自ら購入者に届けるというような施策をするなど「話題作りに長けていた。本当に風雲児だった」と話し、登壇者がみな、飯野氏の才能をたたえていた。

「エネミーゼロ」
「エネミーゼロ」

 前半パートをまとめる形で、岡村氏は「セガサターンはゲーム業界に足跡を残した。競合メーカーとともに盛り上げていったという意味では、このとき以降から全世代にゲームが身近なものになっていった始まりの時期だったと思っている。ファンの皆さんに応援いただいてできたプロジェクトだった」。竹崎氏は「セガがハードから撤退してしまったことは、セガハードが好きで入った人間からすると残念だが、メガドライブミニでは、セガのなかでもハードを作るということで盛り上がっていると聞いているので、応援してほしい」と語った。

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