Squareは3月26日、中小・個人事業主向けキャッシュレス決済端末「Square Reader」とPOSレジ端末「Square Stand」を発表した。
同社はTwitterのCEOであるジャック・ドーシー氏が創業した中小企業向けのキャッシュレスソリューションを提供する企業であり、2013年に日本に上陸。iPhoneやiPadのイヤフォンジャックに挿すクレジットカードリーダーとモバイルPOSアプリを組み合わせたシステムを提供。安価にクレジットカード決済に対応できることが特徴だ。
今回のSquare Readerでは、ICクレジットカードに対応したほか、NFC Type A/BとFeliCaをサポート。非接触式クレジットカードのほか、2019年後半のアップデートで電子マネーでの決済にも対応予定だ。スマートフォンやタブレットとBluetoothで接続でき、POSレジアプリと連携する。価格は税込7980円。
Square Standは、iPadを装着するタイプのシンプルなPOSレジ。簡単な設定ですぐに利用でき、カード決済、売り上げ分析、在庫管理、請求書の発行などが可能。また、レシートプリンターやバーコードスキャナも接続でき、高機能なPOSレジとして使うこともできる。StandにはSquare Readerが同梱され、タッチ決済などにも対応可能。セット価格は、税込3万2980円だ。
注視したのは、デザイン、スピード、アフォーダビリティの3つ。10分で設定でき、その日から決済可能。支払いも翌日に設定できるため、入金までのタイムラグがないという。また、無料のPOSアプリや一定額のカード決済手数料(3.25%、JCBのみ3.95%)を採用しているため、誰でも使える料金体系になっているという。カードブランドは、Visa、Master、American Express、JCB、Diners Club、Discoverをサポートする。
そのほか、新規ユーザーにSquare Readerを無償配布するキャンペーンを実施。すでにSquareを利用しているユーザーでも無料になるプログラムも予定している。さらに、決済手数料が6月30日まで無料になるキャンペーン(月額30万円までの決済が対象)も展開する。
国内で普及が進むQRコード決済について、Squareでハードウェア担当責任者のジェシー・ドロガスカー氏は、「QRコードの気運は高まっているが、デジタルトランザクションのほとんどがクレジットカードベース。観光客やラグビーワールドカップ、オリンピックでますますクレジットカード決済が増える」とし、「QRはソフトウェアサービス。アプリは今後アップデートできるので、状況が変わる中で対応していく」と述べた。
また、新端末発表にあわせて来日したドーシー氏は、「日本の99%は中小企業。これまで現金を扱っていた企業もクレジットカードやApple Payが一般的になってきた」と分析し、「経産省の導入プログラムもあり、より多くの人がデジタル決済に移行し、現金離れが進むだろう。中小事業者の売り上げ増に貢献したい」と説明。「すべての中小事業者が確実にデジタルマネーを受け入れることができ、現金離れできるようにしたい」と目標について語った。
なお、ドーシー氏はビットコインなど仮想通貨に関心が強く、今回の来日時にマインクラフトのLEGOブロックをビットコインで購入している。こうした仮想通貨のサービス導入については、「われわれはさまざまなテクノロジを綿密に分析している。二つの大きなトレンドとして、AIと電子マネーがあり、仮想通貨にはブロックチェーンを使ったイニシアティブが採用されている。ビットコインサービスについては米国で展開しているが、現時点で日本国内で発表することはない」とした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」